Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

映画のメッセージに、そして、撫子ちゃんの告白11連発にやられました~『殺さない彼と死なない彼女』

www.youtube.com (↑これは良い予告編!長回しの楽しさもあり、変なネタバレもなし) これは大好きな作品となりました。 元々、『国家が破産する日』を見るタイミングで、映画comでの高評価に釣られ、『ひとよ』と合わせて候補に挙がったのがこの作品。 その…

この本でしか得られない視点がある~山崎ナオコーラ『ブスの自信の持ち方』

ブスの自信の持ち方作者: 山崎ナオコーラ出版社/メーカー: 誠文堂新光社発売日: 2019/07/10メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 山崎ナオコーラさんの小説は、これまで何冊か読んでいます。 心の奥底に深く刺さるような作品を書くわけではなく、社会…

全く他人事に思えない韓国映画~『国家が破産する日』

『国家が破産する日』予告編 観終えたあとは、溜息が出てしまいました。1997年の韓国の通貨危機を描いた映画ですが、終着点が12/3のIMFとの覚書締結で、ちょうど映画を観たのと同じ日付(11/20)の場面も登場するので、季節的にはまさに地続きです。それだけ…

『ジョーカー』の見方が変わりました~マーティン・スコセッシ『キングオブコメディ』

『キング・オブ・コメディ』予告編 キング・オブ・コメディ 特別編集版 (字幕版)発売日: 2014/06/01メディア: Prime Videoこの商品を含むブログを見る 『キングオブコメディ』は、強烈な映画でした。 あまりにも『ジョーカー』と似ているので、この映画のあ…

乗り切れない!~映画『ジョーカー』

映画『ジョーカー』本予告【HD】2019年10月4日(金)公開 大ヒット上映中の『ジョーカー』を遅ればせながら観てきました。 仕事帰りに、つくば方面から新宿の東宝シネマズ18:30放映開始の回に向かったのですが、色々と見通しが甘く、劇場に入ったのは18:50。…

圧倒的!今年一番の映画体験でした~『ボーダー二つの世界』

映画『ボーダー 二つの世界』予告編|10/11(金)公開 この映画を観ようと思ったきっかけが思い出せません。 9月頃に、何かの煽り文句を読んで、「これは観に行かなくてはいけない映画だ!」と確信し、『ジョーカー』か『ボーダー』か…という気持ちで公開を待…

読みやすいワンシチュエーションミステリー短編集~青崎有吾『早朝始発の殺風景』

早朝始発の殺風景作者: 青崎有吾出版社/メーカー: 集英社発売日: 2019/01/04メディア: 単行本この商品を含むブログを見る 青春は気まずさでできた密室だ——。 今、最注目の若手ミステリー作家が贈る珠玉の短編集。 始発の電車で、放課後のファミレスで、観覧…

久しぶりに宮部みゆき読んだと思ったら2年前に同じ本を…~宮部みゆき『本所深川ふしぎ草紙』

本所深川ふしぎ草紙 (新潮文庫)作者: 宮部みゆき出版社/メーカー: 新潮社発売日: 1995/08/30メディア: 文庫 クリック: 37回この商品を含むブログ (78件) を見る つい先日、クリストファー・ノーラン監督『メメント』という、主人公の記憶が10分間しか持たな…

21世紀の「そして誰もいなくなった」~市川憂人『ジェリーフィッシュは凍らない』

ジェリーフィッシュは凍らない (創元推理文庫)作者: 市川憂人出版社/メーカー: 東京創元社発売日: 2019/06/28メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 特殊技術で開発され、航空機の歴史を変えた小型飛行船〈ジェリーフィッシュ〉。その発明者であるファイ…

大量廃棄、大量消費を支える「私たち」~仲村和代、藤田さつき『大量廃棄社会』

大量廃棄社会 アパレルとコンビニの不都合な真実 (光文社新書)作者: 仲村和代,藤田さつき出版社/メーカー: 光文社発売日: 2019/04/16メディア: 新書この商品を含むブログを見る この本では、主に日本の問題として、アパレル業界とコンビニ・食品業界における…

吉岡里帆主演映画のノベライズ~豊田美加『見えない目撃者』

見えない目撃者 (小学館文庫)作者: 豊田美加出版社/メーカー: 小学館発売日: 2019/09/06メディア: 文庫この商品を含むブログを見る 視力を失った、そして事件を”目撃”した。 警察学校の卒業式の夜、事故で視力と最愛の弟を失った浜中なつめ。人生に絶望する…

作品の意図を理解するということ~『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』VS『アス』

9月に入って2本の映画を観た。 クエンティン・タランティーノ監督『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』 映画『ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド』予告 8月30日(金)公開 いつもはストーリーには出来るだけ触れないでおくのがセオ…

重い内容の漢字二文字タイトル対決!〜伊岡瞬『代償』VS葉真中顕『絶叫』

期せずして漢字二字タイトルのミステリーを2冊続けて読んだ。どちらもAmazonでのレビュー数が80以上の人気作。 共通点はタイトルとレビュー数だけでなく、2冊とも、主人公の子供時代から物語が始まり、その半生を追うことで、特殊な人間関係や、事件が起きて…

知ってたつもりで全く知らなかった〜加藤直樹『九月、東京の路上で』

九月、東京の路上で 1923年関東大震災ジェノサイドの残響作者: 加藤直樹出版社/メーカー: ころから発売日: 2014/03/11メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (48件) を見る 話題になっていたので、この本のことは何年も前から知っていた。が…

バカミス欲が満たされました〜柾木政宗『 NO推理、NO探偵?』

ひとつ前の『パワー』は、苦手な翻訳小説で、やや社会的なエッセンスを含む内容。 こういうのを読むと、反動で、「もっと、ベタに日本の小説で、もっとバカなお手軽小説が読みたい!」という欲が湧き上がってくる。 先日、この思いから手に取ったメフィスト…

男女逆転小説で味わうべき恐怖〜ナオミ・オルダーマン『パワー』

パワー作者: ナオミ・オルダーマン,安原和見出版社/メーカー: 河出書房新社発売日: 2018/10/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (1件) を見る ちょうど一週間前に、『したたかな韓国』を書いたあと、韓国がGSOMIAを破棄するなど、日韓関係がさらに悪化…

日韓関係への希望と失望と~浅羽祐樹『したたかな韓国』

したたかな韓国 朴槿恵(パク・クネ)時代の戦略を探る (NHK出版新書)作者: 浅羽祐樹出版社/メーカー: NHK出版発売日: 2013/08/20メディア: Kindle版この商品を含むブログを見る 今年は、映画『主戦場』を観たこともあり、日韓関係に関しては、慰安婦問題…

今年、読書感想文を書くならこの本!~ナディ『ふるさとって呼んでもいいですか:6歳で「移民」になった私の物語』

ふるさとって呼んでもいいですか: 6歳で「移民」になった私の物語作者: ナディ,山口元一出版社/メーカー: 大月書店発売日: 2019/06/17メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログを見る 6歳で来日し、言葉や習慣、制度の壁など数々の逆境の下で…

最高のホラー小説、来た~澤村伊智『ぼぎわんが、来る』

ぼぎわんが、来る (角川ホラー文庫)作者: 澤村伊智出版社/メーカー: KADOKAWA発売日: 2018/02/24メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る今回、順序的に、中島哲也監督の映画『来る』を今年の正月に観に行ったあと、原作小説として、この本を読んだ…

「百田尚樹現象」に刺激を受けて読んだ2冊~百田尚樹『モンスター』『幸福な生活』

週刊ニューズウィーク日本版 「特集:百田尚樹現象」〈2019年6月4日号〉 [雑誌]出版社/メーカー: CCCメディアハウス発売日: 2019/05/28メディア: Kindle版この商品を含むブログを見るノンフィクションライター石戸諭によるニューズウィークの特集「百田尚樹…

韓国の歴史をもっと知りたくなる映画~『工作 黒金星と呼ばれた男』

ファン・ジョンミン主演、映画「工作 黒金星(ルビ・ブラック・ヴィーナス)と呼ばれた男」7月19日(金)に日本公開決定!日本オリジナルポスター解禁歴史的事実といっても、90年代という、つい最近の歴史を扱った映画。 自分は1974年生まれなので、1996年の…

ぽくないメフィスト賞受賞作~宮西真冬『誰かが見ている』

誰かが見ている作者: 宮西真冬出版社/メーカー: 講談社発売日: 2017/04/13メディア: 単行本この商品を含むブログ (2件) を見る 第52回メフィスト賞受賞! 4人の女には、それぞれ表の顔と裏の顔がある。ブログで賞賛されたいがために、虚偽の「幸せな育児生活…

いつの間にか自分自身について考えさせられる小説~角田光代『坂の途中の家』

坂の途中の家 (朝日文庫)作者: 角田光代出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2018/12/07メディア: 文庫この商品を含むブログ (2件) を見る あらすじ この小説に興味を持ったのは、裁判員制度に絡めた物語だったからだ。 もともと、裁判員制度自体には、否…

Original Love "bless You! Tour"@中野サンプラザ7/20(Tour最終日)

bless You! (通常盤)アーティスト: ORIGINAL LOVE出版社/メーカー: ビクターエンタテインメント発売日: 2019/02/13メディア: CDこの商品を含むブログを見る 公演前のすったもんだ ぼくの知らない間に誰かがきて ポストの中のものを全部取ったんだろう スガシ…

映画「主戦場」に右派が「騙された」理由がわかった~『海を渡る「慰安婦」問題』

海を渡る「慰安婦」問題――右派の「歴史戦」を問う作者: 山口智美,能川元一,テッサ・モーリス‐スズキ,小山エミ出版社/メーカー: 岩波書店発売日: 2016/06/24メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (3件) を見る 「歴史戦」と「主戦場」 上半…

『3月のライオン』聖地巡礼の魅力(その3)~橋と人と

ひとつ前に書いた通り作品の舞台は水に囲まれているわけですが、隅田川を渡る橋は、中央大橋以外にもあります。 だけでなく、それぞれが登場人物と強く繋がりを持っています。 今回は、かなりこじつけ部分もありますが、登場人物と橋の結びつきについてまと…

政権批判ではなくちゃんとしたエンタテインメント映画~『新聞記者』

まず、最初に書くと、自分は、 望月衣塑子記者のことはあまりに好きではありません。 望月記者の菅官房長官に対する姿勢は、必要なものだし、排除されるべきではないと考えますが、あまりに反体制に過ぎる、いわゆるサヨク過ぎる、と考えていたのです。 その…

読者の共感を拒む踏み絵的小説~村田沙耶香『地球星人』

地球星人作者: 村田沙耶香出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2018/08/31メディア: 単行本この商品を含むブログ (3件) を見る 私はいつまで生き延びればいいのだろう。いつか、生き延びなくても生きていられるようになるのだろうか。地球では、若い女は恋愛をし…

『3月のライオン』聖地巡礼の魅力(その2)~河を渡る

その1では、『3月のライオン』の聖地巡礼ではランドマークが重要な要素であることを書きましたが、最も重要なことを書いていませんでした。 それは、三日月町すなわち佃島が水に囲まれているということです。 風景の一部をなすランドマークを多数擁するだけ…

『3月のライオン』聖地巡礼の魅力(その1)~ランドマーク

大好きな作品の舞台となった場所を実際に訪れる「聖地巡礼」は、それだけでワクワクするものです。 自分が『3月のライオン』の「聖地巡礼」をしてみようと思ったのは勿論、そのワクワク感を求めてのことです。しかし、何度か現地に行き、その後、漫画を読み…