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大スクリーンで観るべき映画〜パク・チャヌク監督『オールド・ボーイ』

オールド・ボーイ プレミアム・エディション [DVD]

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1988年、平凡なサラリーマン、オ・デス(チェ・ミンシク)は何者かに誘拐、監禁され、何と15年もの歳月を経て突然解放された。なぜこのような仕打ちを受けたのか真相を突き止め復讐すべく、すぐさま彼は行動に移すのだが…。
日本のコミック(土屋ガロン嶺岸信明)を原作に『JSA』のパク・チャヌク監督が手がけ、2004年度カンヌ国際映画祭でグランプリを獲得した戦慄の韓流サスペンス映画。暴力シーンはもちろんのこと、パワフルでインパクトに満ちた描写の連続には観る側が疲弊するほどだが、それ以上に、まさに衝撃的という言葉がふさわしい結末には圧倒される。韓国映画界の充実度を改めて痛感させられる問題作。ぜひとも体調を整えた上で、これ以上の予備知識を入れずにご覧になることをオススメする次第である。(的田也寸志
Amazonより)


何度か書いたが、ここ最近感想を書いている過去作品の映画は、KindleFireというタブレット端末で見ている。タブレット端末はストーリーを追うには申し分ないが、映画的迫力やスタイリッシュな映像が売りの作品は、その魅力を十分に堪能できないと思う。映像美に引き込まれるには、画面が小さく、周囲の視覚情報がどうしても邪魔をしてしまう。
この『オールドボーイ』は、まさにスタイリッシュさが売りの作品。テンポの良い映像を優先するため、ストーリー運びも省略が多く、油断をしているとすぐにわけがわからなくなってしまう。
出前の餃子で監禁場所を突き止める場面やラストシーンなどは、実は、よくわからなかったので、巻き戻して見直した部分。
結局、「凄さ」は感じたが、全体としてまとまりに欠ける印象となった。タブレット端末で見なければ、傑作と感じたかもしれない。


とはいえ、最初はダメ人間に見えた主人公がどんどん魅力的になっていく様子や、長い廊下に現れる沢山の敵を、横スクロールゲームのように片づけて行く場面、天使の羽根や金槌などのビジュアル的な小道具の使い方など、素人目にも工夫が凝らしてあり、観ていてとても面白かった。。
また、やや納得しづらいものの、敵役のイ・ウジンの「復讐」の理由や、その復讐方法(15年も監禁した理由)については、どちらもタブーに触れるもので、その執念にゾッとした。こんな奴はいない!と思う部分もあるが、粘着質で、かつ純朴さを兼ね備えた変態としては、ものすごく分かりやすい性格で、主人公のオ・デスとともに魅力的なキャラクターだ。。
ただし、その復讐を可能とする特殊なトリックは、大ネタなのはわかるが、それが判明したとき素直に驚けず、ピンと来なかった。
まあ、それも含めて、やっぱり大きなスクリーンで観た方が楽しめる映画というのがあるんだなと強く思った。


原作も少し気になる。