Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

(3)These Three Words 〜君ノ声

さて、やっと本題。
セットリストは、以下の通り

1 ジェンダー
2 美貌の罠
3 オセロ
4 2度目のトリック
5 髑髏
6 カフカの城
7 宝島
8 流星都市
〜MC〜
9 妖精愛
10 夜とアドリブ
11 プライマル
〜MC〜
12 セレナーデ
13 ヴィーナス
14 接吻
15 アダルトオンリー
16 ミッドナイト・シャッフル
17 13号室からの眺め
18 The Rover
19 JUMPIN' JACK JIVE
20 鍵、イリュージョン

アンコール1
1 踏みかためられた大地
2 夜をぶっとばせ
3 ムーンストーン
4 遊びたがり
5 エクトプラズム、飛行(メンバー紹介)

アンコール2
明日の神話
noriさんのエントリを参考にさせていただきました。

いろいろと伏線を張っているので、書いたも同然ですが、今回のライヴは今までいったライヴとの比較は難しいものの、非常に不満の大きいライヴだった。理由は大きく3つ。

アレンジ

2曲目「美貌の罠」が少しトリッキーだったことと、「ムーンストーン」がやや賑やかだったことを除けば、ほとんどが原曲どおりだったのではないだろうか。
それでも原曲を超える圧倒的な何かがあれば、自分は、そこに「驚き」を感じることができたはずだが、全ていわば「想定の範囲内」だった。理想が高いのか、自分の欲望がねじれているのか・・・。
ただ、実際には、「セレナーデ」くらいまではアレンジについてもほとんど気にならず、うっとりしながら聴けていたわけで、問題は、以下に挙げる二点の方が大きかったといえる。

選曲

全く予想していなかった「妖精愛」や「セレナーデ」は、自分にとって「驚き」だったし、嬉しかった。ただ、『街男 街女』からが「鍵、イリュージョン」だけということに代表されるように、「田島貴男度数」の高い、最近の作品からの選曲が圧倒的に少ない。さらに「妖精愛」「ヴィーナス」「ミッドナイト・シャッフル」が本人以外の作詞であることも、田島度数を少なくさせている。
ここまで「田島度」を薄める理由がわからない。
オレオレモード全開だった、『キングスロード』までの選曲と比べると、連続性を感じられない。同じ人が選曲したとはとても思えない。
もっといえば、「ここ最近のアルバムの方向性は間違っていました」と謝る田島貴男が見えるような、弱気な選曲。ポニーキャニオン時代に入ってからオリジナル・ラヴファンになった人たちの切捨てにすら思える。

上にいろいろ書いたが、これに尽きる。
はじめの方のMCで食中毒にかかった話をしたのは「言い訳」だと思う。
ライヴ後半が顕著だったが、声量が無かった。アンコール「明日の神話」は、かなり上手く歌っていたが、弾き語りで、バックの大きい音に影響されることがなかったからだろうと思う。
自分の耳が悪いのかもしれないが、「ミッドナイトシャッフル」あたりから、高音部の歌い方が慎重になり、メロディを探しながら歌うような不安定さを見せていた。
その後、演奏された「13号室からの眺め」は、今回のアルバムの中でも、最もライヴ映えがする曲だと期待していただけに、声の迫力の無さにがっかりした。そのあたりから、自分としては「心、ここにあらず」でしたね。
思えば、ライヴ開始当初は、田島貴男が、やや抑えた歌い方をしており、バックの楽器の音とのバランスが非常によかったことに大満足だった。自分がオリジナル・ラヴの音楽が好きになったのは、ボーカルだけでなく、後ろの楽器の音が全部聴こえるからだったのだ、とファンになった頃を思い出したりもした。
ただ、今の自分が田島貴男に求めるものは、それだけでは足りなかったのだ。
今回の声の状態では、むしろ無くて正解なのだが、何故、「張り上げ系」の曲がなかったのか、ということにも疑問。ここ数年のライヴで恒例だった「あの声」は聴けず仕舞いだった。