Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

(4)Hang On To Your Ego

近年厚みを増したオリジナル・ラヴの魅力は、多少バランスが悪くても、田島貴男がエゴ丸出しにすることによって、得てきた部分が大きいと思っている。もちろん、それによって失ってきたものに対する不満もあった。確かに、今回のライヴは、昔の楽曲の演奏、田島貴男の「抑えた歌い方」など、自分が望んだとおりのライヴだった面もある。
しかし、実際に、田島貴男のエゴが希薄な今回のライヴを見てみると、自分にとっては、それこそ「空っぽになった真空の肺」というような空虚な印象が残るものとなった。
おそらく、田島貴男も行き過ぎた自分への反省というか、不安というか、迷いみたいなものがあったのだろう。しかし、そこで針を大きく戻しすぎたのは、それこそ田島貴男の生来のバランス感覚の悪さなのかもしれないが、妄想的ロッカールームの楽屋裏話でも書いたように、他の誰かの意志が介在しているとしか思えない。(笑)
そうでなければ「変節」といえるくらいのひどい方向転換だと思う。
曽我部恵一が、そういう部分で上手いバランスが取れている作品を出した直後だけに、10年前に一気に逆戻りしたような今回のライヴは、自分にとって理想とのギャップが大きかった。
「誰にも渡しちゃいけないものが君の中にもあるんじゃないか」と歌った「渡しちゃいけないもの」というのが田島貴男にとってなんだったのか、改めて考えたくなるようなライヴだった。
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とはいえ、何度も書くように、今回のライヴは「声」の問題が大きかったのもあると思う。東京のライヴでは「声」の問題がクリアされていれば、素晴らしいライヴになるのだと期待しています。
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歌詞の間違いについては、今回、特に気になりませんでした。(自分もしっかり覚えていないので)
「プライマル」はピアノ弾き語りだったので、上田さんが前に出てギターを弾いていたのですが、正確に歌詞を口ずさみながら弾いていたのが印象的でした。(笑)