Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経概観9/9(日)

9月9日は、中国では縁起のいい日とされており、混ぜご飯を食べる風習があります〜と、生協店内で繰り返し放送していたけど、「だから何?」と開き直ってしまった。
でも、帰って、はじめて栗ご飯を作って食べた。流されやすいなあ。

堺屋太一「名君の許に堅臣あり」(40面・文化)

8月上旬までの連載『世界を創った男 チンギス・ハン』を振り返り、チンギス・ハン個人の強さよりも、その「チーム」としての強さに着目した内容。

  • チンギス・ハンが遭遇した何千人かの中に大天才が何人もいたわけではなく、いつでもどこでもいる人間集団の中から、近代を開く人材が見出され、大任を委され提案を受け入れられたことで「天才的業績」を残したのであろう。名君は堅臣を創るのである。
  • 要は時代の流れや世の中の雰囲気、つまり社会の主流勢力の発想と受け入れ体制によって、個性的人材が発掘されることもあれば、埋め込まれることもあるのだ。時代的にそうであれば、集団的にも同じだろう。

現在、長い時間をかけて、『ドラッカー名著集1 経営者の条件』を読んでいるが、その中にも、「強みを生かした人事」について一章を割いて書いてあった。曰く、

組織とは、強みを成果に結びつけつつ、弱みを中和し無害化するための道具である。(P106)

堺屋太一の文章では、最後に、安倍政権に象徴される、今の日本の雰囲気を憂えているが、まさにその通りである。政治家だけでなく、国民全体が、日本という組織を日本人の強みを生かす国・雰囲気にしていく必要があるのかもしれない。

今日の日本は、あらゆる既成概念に捕らわれずに斬新な個性に大胆な実行を委せたチンギス・ハンの時代とは正反対である。

台風9号 集落襲う/群馬、500人孤立(39面・社会)

道路が寸断する中、断水も続いているという状況はかなり厳しいもの。道路復旧もすぐには行かないことを考えると、一時的に集団移転ということになるのだろうか。
また、記事にはないが、神奈川県の西湘バイパスの崩落は、砂浜の侵食なんかも絡んでおり、復旧も一朝一夕には行かない模様。日本の国土の脆さを改めて感じる。

山口・光市母子殺害 懲戒請求4000件超/弁護士同士、全面対決へ(39面・社会)

この騒動については、記事内の佐木隆三氏の言葉に完全に同意。

  • 橋下弁護士はなぜ自分で懲戒請求をすべき。
  • テレビでけしかけるやり方はおかしい。
  • 自分も弁護団の主張には否定的だが、それは法廷を自分の目で見た上での話
  • 弁護団を許せない人も多いようだが、自分で傍聴する努力もせずにテレビの情報だけで懲戒請求をした人がいたとすれば情けない。

また、蒸し返すようだが、植草一秀元教授の、いわゆる痴漢事件。何度か紹介した植草一秀氏を応援するブログが、マスコミ情報よりも信頼に足る、といえる部分は、裁判を傍聴した人の意見が多数寄せられている点。これらを見ると、裁判に関する報道ですら、マスコミ(特にテレビ)報道は、相当にいい加減な部分があるのだ、ということがよくわかる。(全部デタラメだと言っているわけではない)
同じ理由で、(裁判を傍聴したわけでもなく)テレビ情報だけで、植草元教授を有罪と決め付ける流れが、世の中の主流だとすれば、少し怖い。
念のために付け加えると、自分は、あの事件が冤罪だ、と主張したいのではなく、冤罪ということもありうる、と思っているのだ。何度も書くとおり、自分も二次的な情報だけであれこれ言うしかないし、それほど時間をかけて、この事件について考えていない。

ホッキョクグマ、3分の1に減る/今世紀半ば、推計(38面・社会)

USGSは、6カ月かけて北極海地域の海氷とホッキョクグマの生存および健康との間の関係を調査し、報告書をまとめた。その結果、今世紀半ばまでには、ホッキョクグマの狩猟と子育ての時期である夏場に、北極海ホッキョクグマの最適な生息地域の42%が失われ、ホッキョクグマの頭数が3分の2減少する可能性があるとの予測を得た。

白くまのニュースは今後も追っていく予定。
氷が一番少なくなるのは毎年9月下旬というから、その頃に、再度話題になるはず。

バイオ燃料、日本は稲

耳を疑うような話だが、研究を進めているのは東京大学大学院農学系研究科、記事のインタビューに答えているのは森田茂紀教授。

  • 100%自給の作物なので、食糧との競合は心配ない
  • 国内で、休耕田など使われていない水田は数十万ha。
  • このうち、すぐにでも耕作を再開できるのは約12万ha。やってみたいという農家の人もいる。
  • 国土保全のためにも役立つ
  • 政府のバイオマスニッポンの目標値は、エタノール燃料を年間50万キロリットル
  • 上述の12万haで収穫できる稲からは年間30万キロリットルのエタノールがつくれる

ということで、それなりに成算のある研究のようだが、まずは国の農業政策との摺り合わせが一番の問題になるのだろう。
それにしても、燃料にするためや、中国に輸出するために、日本の米の生産量が上がったというのでも勿論いいのだが、日本人が再びたくさん食べるようになったから、という理由の方が「美しい」よなあ、と思ってしまう。
そういえば、小麦の値段も10月から10%上がるみたいだし、日本人なら米を食べよう。
読書欄では、柴田明夫『食糧争奪』が気になったが、国の食糧・農業政策の重要さに改めて気づく。

新興国株投資の基礎(上)高成長を期待していいの?(19面・マネー入門)

質問への回答として、中見出しを羅列。

  • 中長期に見て先進国以上/短期では乱高下のリスク
  • 実質成長率年5%以上
  • 発展の余地 国により差も(ただし、同じ中国についても専門家の見方は割れる。中国のリスクは急速な高齢化)
  • 為替変動にも注意が必要

ここでの結論は、「余裕資金の一部を、特定の国に限定せず時間をかけて運用すればいいのでは」とのこと。
実際に投資するかどうかは別として、ちょっと気になるので、今後も勉強。

「海外の資本市場が比較的お買い得になっている今こそ、長期的視野にたった国際分散投資を是非とも少しずつでも始めておきましょう」という「貞子ちゃんの連れ連れ日記」さんの意見には心より賛同いたします。

ゴーログでも煽ってたし・・・。

加齢臭/生活習慣見直す/ストレスも大敵(10面・健康)

結びの方の専門家の言葉が秀逸。

  • 日常生活のなかでにおいが消えてしまったため、体臭を意識するようになった
  • たとえば、くみとり式トイレの時代は、体臭など気にならなかった

「だから気にすることないよ」と簡単には言えないが、確かに気にしすぎの面はあると思う。あと、テレビに煽られすぎ。

米下院 特許法改正案を可決/「先発明」から「先願」主義へ(5面・国際)

米国は先進国の中で唯一、先発明主義を採用している。保有する特許に対して個人発明家や中小企業などから「先に発明した」と訴訟を起こされる恐れが大きく、「乱訴社会」と呼ばれる米国での事業に不安が膨らんでいた。日欧は先願主義への移行を求めてきた。

当然だろうと思うが、反対派は「製薬業界や一部の大学など」で、上院の審議での巻き返しが予想されるという。製薬業界なんかは、莫大な訴訟専用チームなんかを抱えているのだろうか?

エネルギー効率「25%以上改善」明記/APEC首脳会議「努力目標」で合意(1面)

特別声明は「2030年までに域内のエネルギー効率を05年比で25%以上向上させる」との目標を盛り込んだ。経済成長に伴って増える温暖化ガスの排出量を減らすのは難しいため、技術革新などで達成されやすい省エネ目標を優先した。「20年までに(温暖化ガスを吸収する)森林の面積を2000万ヘクタール以上増やす」との目標も示した。世界の森林面積の0.5%に相当する。

3面にもあるように、来年の洞爺湖サミットでは、今回(21カ国・地域)の10倍を相手にしなければならない。今回、一応の数値目標を立てたものの「実効性に疑問符」のつくような内容であり、難航した交渉も含めて、今後にかなり不安を残したという。
今の安倍政権に可能とは思わないが、まずは国内で、少なくとも京都議定書の約束数値達成に向けて(勿論、達成は不可能なレベルに来ているのだが)産業界などに強い姿勢で臨む必要があるのではないか。
なお、努力目標は「aspirational goal」とのこと。