Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

氷と雲と視覚体験ベスト3〜『驚くべき雲の科学』

いつも、その幅広い分野の良書を紹介して下さるブログ「スゴ本」(わたしが知らないスゴ本は、きっとあなたが読んでいる)。スゴ本でオススメされる本は、結構敷居の高いものも多いが、久しぶりに、お!これは読めそう!と思った紹介本を、新刊コーナーにあった『地球の神秘』と一緒に図書館で借りてきた。

驚くべき雲の科学

驚くべき雲の科学

地球の神秘

地球の神秘


『地球の神秘』は「一度はみたい感動の自然現象」という副題の通り、それぞれの写真について、どこでどのような観測条件のもとで見ることができるのかが記されている。そういう意味では、科学よりも観光に近い視点で書かれている。
雲や天候に関しては『驚くべき雲の科学』と重なる事象がかなり多いが、それ以外の部分だと、諏訪湖などで見られる「御神渡り(おみわたり)」や岡山県鏡野町の「氷紋」などは見てみたいと感じた。ただし、全体的に淡々としていて、心惹かれる部分は少なかった。


これに対して『驚くべき雲の科学』は、「科学」部分を重視した写真選定と解説になっている。また、分野を限定しているだけに、同じ項目の写真でも見た目のインパクトの強いものが多く、乳房雲*1の写真なんかは圧倒的。謝辞等を見ると、英国気象局の協力を受けているだけでなく、ネット等から収集したあとに撮影者の許可を取りに行っているものも多いようで、いわば雲マニアの人たちの成果の結晶ともいえるのだろう。
そして、解説は気象学的な視点から書かれており丁寧でわかりやすい。先日(またもやバルスで盛り上がった)『天空の城ラピュタ』を見ていて思ったのは、動きのメカニズム(どのような仕組みでエレベータが上がるのか、鉄砲から弾が出るのか、そして、どのように飛行するのか)が直感的に理解できることが、物語に深く入り込む重要な要因になっているということ。(逆に、だからこそ、それが分からない飛行石が持つ価値が高まる)その点、本書は、簡潔かつ気象学的な説明が加えられており、それが「雲萌え」に繋がりやすいのだと思う。
ただし、個人的な思いからすると、もう少しメカニズムの解説重視でも良かった。この点は児童書の方が自分の期待を満たしてくれて、例えば、「子どもの科学サイエンスブックス」のシリーズなんかは、解説も詳しくてとても面白い。(下の2冊は、図書館で見かけて内容の充実ぶりに驚いた本。解説は丁寧だが写真が多くとっつき易い!)



スゴ本でも指摘があったが、(例えば『地球の神秘』なんかは顕著だが)写真で驚かせよう、楽しませようという意図だけの本は、今のインターネット環境では、ほとんど成功しないと感じる。動画も含めて多くの映像が無料で閲覧できる、しかも一覧の中から自分の興味のある写真を選べる点で、本はネットに勝てない。だから勝負できるポイントを絞り、雲マニアの粋を集めた写真を厳選し、分かりやすい解説を載せた『雲の科学』は、いわばキュレーション的な意味で成功しているのだと思う。

都内で行ってみるべき視覚体験ベスト3

さて、視覚情報は本よりもネット、と書いたところで、ネットでは到底体験できない視覚体験が味わえる都内スポットについて紹介します。自分もそこまでいろんなところに行っているわけではないので、是非、他にオススメがあれば教えてください!

第3位:日本未来科学館ドームシアターガイアの立体視プラネタリウム
http://www.miraikan.jst.go.jp/sp/birthday/

先日初めて「バースデイ」を見ました。
親子で3D映画を見に行ったこともあるのですが、名作と呼ばれる「ヒックとドラゴン」でさえ、子どもはメガネの装着感が気になるようで、集中しきれない。そこを行くと「バースデイ」は、メガネの装着感もよく、完全に映像に没入できる視覚体験で大満足でした。よう太は何度も目の前に近づく星を探ろうと手で探っていました。
ただし、「バースデイ」は、中盤がやや眠くなるので、他のプログラムも見てみたいです。
なお、未来科学館のプラネタリウムはいつも混んでいて、これまで2度ほど売り切れで入れなかったことがあったので、今回は開館と同時に入場し予約しました。ここは、入場料600円の中にプラネタリウム代も含まれていると考えると非常に安いし、逆に未来科学館に行くのであれば、プラネタリウムに行かないと損かもしれません。

第2位:国立科学博物館 全球型映像施設「シアター36○」
http://www.kahaku.go.jp/exhibitions/theater360/index.html
「シアター36○」とは、2005年「愛・地球博」の長久手日本館で人気を博した「地球の部屋」が国立科学博物館に移設され、「THEATER36○(シアター・サン・ロク・マル)」として生まれ変わりました。直径12.8m(実際の地球の100万分の1の大きさ)のドームの内側すべてがスクリーンになっていて、その中のブリッジに立ち、映像をご覧いただけます。360°全方位に映像が映し出され、独特の浮遊感などが味わえる世界初のシアターです

プラネタリウムでは見えない「足元」までを映像で包まれる体験はここでしかできないでしょう。橋の上から全方位の映像を眺めることになりますが、映像が動くことによって、橋自体が移動しているような浮遊感を味わえます。
3Dメガネも不要だし、解説も内容が分かればさらに面白いという程度で、未就園児の子どもでも楽しめると思います。
最近行っていないので、久しぶりに行きたいです。

第1位:ダイアログインザダーク
http://www.dialoginthedark.com/

今年の夏に、よう太と友人*2と一緒に行きました。完全なる闇というのが、日常世界ではなかなか体験できないことを考えると、消防関連機関の了解を取ってまで、完全な闇にこだわるダイアログインザダークの提供する場は、まさにここでしか体験できないと思います。
5000円の料金は、あの体験を考えると高くありませんでしたが、繰り返し行ってみたいということを考えると、3000円程度まで下がってほしい感じではあります。ダイアログインザダークについては、近いうちに改めて書きます。なお、12月の親子参加は小学生無料とのことです!オススメです。

*1:GigazineのHPで紹介されている上から2枚目の写真と同じもの。http://gigazine.net/news/20060413_mammatus/

*2:リアル脱出ゲームの軍師