- 作者: ロースおじさん
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2014/08/30
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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ロースおじさんのとんかつQ&A その悩み、豚に相談した? (一迅社ブックス)
- 作者: ロースおじさん
- 出版社/メーカー: 一迅社
- 発売日: 2014/10/09
- メディア: Kindle版
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これまで、嵌りそうになったゲームアプリは全て削除するほどの慎重さを見せていたが、口先番長VSは、しりとり形式の対戦ゲームで、一回のプレイ時間は90秒程度と短く、連続してできるのは4回までなので、はまり込み過ぎず、適度にゲームと付き合っている。(という言い訳)
さて、ゲームでも本でも嵌っていると、その思考法が頭から離れない。
「口先番長VS」は、お互いに単語を言い合うのではなく、一人でしりとりを繋げて、制限時間内で繋げた単語の長さやむつかしさに応じて相手の体力を奪うルールになっている。
例えば「る」から始まる単語をたくさん持ち合せていると、前の言葉を何とか「る」で終わらせて、手持ちの言葉に繋げようと考える。格闘ゲームでいうところの「コンボ」ということになるのだろうか。
そんなときに、この本を読んで「悩み相談もコンボだ」ということがよく分かった。
この本は表紙でスクール水着を着てハアハア言っている豚(ロースおじさん)が、読者の悩みに答えるwebの連載を書籍にまとめたもの。
悩み相談は、色々なタイプのものがあるが、名回答も多く、なかなか読みごたえがある。
コンボだと言ったのは、その回答の仕方。悩み相談の回答というのは、ある程度これまでにいろいろな部分で蓄積されたものがあるから、全くの正論が出てくると、つまらないどころか反感を感じてしまう。
だから回答者の個性(人生経験)がどこに表れるか、正論について説得力を持たせられるか、と言う部分が悩み相談の勝負のしどころなのだと思う。
だから悩み相談の読み物は、相談員(?)が、悩みに対して的確な答えを出すことよりも、いかに自身の個性を出しつつ、得意の分野に引き込めるか?つまり、コンボを決められるか?が重要となってくる。
この本の相談員であるロースおじさんは豚。得意な回答パターンは以下。
- 質問者への説教・ダメ出し。(例.とりあえず大人になったら「おやつは何百円」っていうネタを質問に放り込むのは絶対やめたほうがええんやけど…)
- どこで調べているのか細かい薀蓄(Q16.ギャンブルで食っていける?など)
- 漫画やゲーム関連の濃いネタへの脱線。(例.FF?でたとえるなら「叱り」のマテリアにアビリティポイントを少しずつ溜めていく気持ちで…)
- 自分が豚であることを使った自虐ネタ。(例.そんな人がいたところで常に小鼻の両脇から食べログ2〜3点台のとんこつラーメン屋みたいな匂いを立ち上らせている愚豚であるおじさんが恋愛対象になるわけないから…)
- 上履き、体操着袋、リコーダー、赤白帽などへの小学4年生グッズへの異常なこだわり。
- 直球回答。(Q2.好きな人を振り向かせたいへの名回答ぶりがすごい)
時には、ゲームネタと小学4年生ネタのみで、逃げるように回答するものもあったが、どの悩みにも幾分かのアドバイスを挟みながらこれらのコンボを決めている。web連載から選りすぐりのものを集めたもののようで、回答は長過ぎも短すぎもせず、ダレることのないまま、最初から最後まで楽しく、ときに感心しながら読むことが出来た。
なお、自分は、ごく稀にブログのコメント欄に「えーーー」というようなネガティブコメントをもらうことがあるが、そういう悩みに対する回答もあり、なかなか励みになった。
言ってる本人は安全地帯から石を投げてるような気分かもしれんけど、その石は実のところすべて自分に跳ね返っていってるんよね。そのダメージは本人の記憶の奥にどんどん溜まっていき、いつしか姿の見えない重しとなってその人を拘束し始めるんよ。何かを発信してみようと思っても、批判される自分の姿がちらつく、「こんなことやっても仕方ない」「こんなものつまらないに決まってる」と半身にしかなれなくなる。それが匿名ネガティブコメントを書いた者の行き着く先や。
あなたのブログにコメントを書いてる人間が誰であれ、「あーあ、この人ステータス異常にかかっちゃってるな」と軽くいなせるようにならないと、あなたの成長もそこで止まっちゃうで。人はまったく興味のない物には妬みも嫉みも感じないんやから、他人が嫉妬して引きずり下ろそうとしてくるだけの才能があなたにはあるんやと思って、これからも恐れることなく創作し続けてね。
今回、WEBの人気連載記事を本で読んだが、充実度は高かったし、多分、ロースおじさんのアブノーマルな趣味やお笑いネタよりも、悩みに対するアドバイスの部分に焦点を当てて、まじめに読むことができたような気がする。
その意味では、自分の中では、やはりPC画面で読む文章よりも、本で読む文章の方が「格が上」との意識があるのかもしれない。
次はこれかな…。(家にあるし)
オタクの息子に悩んでます 朝日新聞「悩みのるつぼ」より (幻冬舎新書)
- 作者: 岡田斗司夫 FREEex
- 出版社/メーカー: 幻冬舎
- 発売日: 2012/09/28
- メディア: 新書
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