Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

念願のサブ4達成!〜湘南国際マラソン2015

12/6に行われた湘南国際マラソンのレポートです。
文章がダラダラしているので、2016年に湘南国際マラソンを走る自分と同レベルの方(初めてサブ4を目指すくらいの方)へのアドバイスをするとすれば以下の通り。

  • トイレは直前に済ませておく。(折り返しを越えても、コース上に用意されたトイレには行列ができます)
  • 10キロくらいまでは周囲とぶつかることに注意するくらいの混雑具合
  • 35〜40キロで心が折れるポイントがいくつかあるので、それを乗り越える(給水所がない、少しだけ登り坂、ハーフマラソン用の偽距離表示)

スタートまで

12/6日曜日、湘南国際マラソンの朝は早かった。

朝5時40分に新宿西口のバス乗り場に到着。満員になったバスから次々と出発。
バスの中ではうとうとしていると、7時10分頃に到着。大量のバスが来ていたためか、会場近くで減速。バスを降りると既に会場は沢山の人がいたことを考えると、最寄駅からのシャトルバスなんかも相当混んでいたはずで、お金は余計にかかってしまったけど、新宿からの直行バスを申し込んでいて正解だったように思う。


会場についてからスタートの9時までの行動を整理。

  • 更衣室も当然用意されていたが、大磯プリンスホテルのプールサイドで着替える。
  • 荷物置き場にカバンを置き、準備万端となったが、手持ちタオルを忘れて取りに戻る。
  • 荷物置き場には、ゼッケンNoのついたビニール袋に全てを収納して置く必要があったが、履いてきた靴を入れ忘れるトラブル。レース終了後に気が付いたが、近くに置いてあったので事なきを得る。
  • スタートまではトイレ大×1、小×2。なるべく遠くのトイレほど空いているの法則重要。小は直前にしておいた方が良い。(スタートに一番近いトイレ(○km地点付近)は長蛇の列でした)
  • ザバスのブースで売っていたゼリーバーを2つ購入。(3つにしておけばよかった…)


申込時に書いた予想完走時間順に並ぶということだったが、自分はA〜GのFということでかなり列の後半に並んだ。
アクシデントがあり開始が遅れたこともあったが、スタートの門をくぐるまでが非常に長い。海の近くということで、やや風が強く、このときが一番寒かった。

スタート


並び始めてから30分くらい経ってやっとスタート。
徳光さんがスタート地点左側の高いところで喋っていた。


スタート直後は、とにかく人が多く、抜くスペースもない。「序盤はゆっくり」というレースプランなので、焦らず、人波の中に埋没するように走る。
ゆっくり走るときはpodcastと決めているので、毎週恒例となっている「荻上チキSession22」祭り。
まずは「森田真生『数学する身体』」から聴き始める。森田真生はどこの組織にも属さない「独立研究者」で、かなり変人っぽい。ちょうど前日のビブリオバトルでも名前が挙がっていた数学者・岡潔の話も出て来て、語りは相当エネルギッシュだ。

10キロ

1キロごとのペース
〜5キロ:6:28、6:27、5:45、5:19、5:26
〜10キロ:5:29、5:18、5:13、5:19、5:19

このあたりではpodcastは「水木しげる先生追悼特集」。荻上チキの電話インタビューに答えるつげ義春のつっけんどんっぷりに笑う。同じ調布市内に住んでいたのに、結局お会いできなかったのはつくづく残念。


ところで、当日の服装は、上はアンダーアーマーのコールドギア+手賀沼エコマラソンの青シャツ、下はCW-Xの機能性タイツ+パンツ。あとは帽子と手にタオル。
今回、他のランナーを見てもタオルを手に持って走る人はあまりいなかったが、頻繁に汗を吹くために手に持っておくのがいいというのが最近の自分の結論。
手袋は、iPhoneをいじるのに邪魔なのでつけなかったが、もう少し寒ければ、指先が出るやつをつけても良かったかも。
なお、今回のシューズは、サブ4を目指すランナーに!と売られていたアシックスのゲルフェザー グライド3。さらに靴下も「サブ4」という売り文句がついていたミズノのものを履いたのでサブ4必勝態勢だ。

15キロ

1キロごとのペース
〜15キロ:5:03、5:10、5:14、5:19、5:21

15キロのあたりは、メレ山メレ子のガーナに棺桶作りに行く話とかを聴いていた。
その後、podcastは、山手線新型車両のトラブル解説と藤井誠二の新刊解説に移り、それを聴きながら順調に進む。


サブ4で走るには、平均ペースで1キロ5分40秒で走ればいいことになる。手賀沼では、ハーフ全部をほぼ4分40秒〜5分のペースで走っているから、5分40秒というのは余裕のペース。ただし、ペースが速すぎると後半に間違いなく失速する。ペースが落ちると底なしで、すぐにキロ6分、歩いてしまえば7〜8分程度は覚悟しなくてはならない。そこがハーフマラソンとフルマラソンの全く異なる部分。
少し混雑も緩和し、抜こうと思えば前に出られるのだが、とにかく後半のためにペースを抑えることをひたすら意識。

20キロ


1キロごとのペース
〜20キロ:5:16、5:22、5:19、5:21、5:09

折り返し地点の江の島が近づくと沿道の人も増えて大賑わい。
20キロを越えるあたりでちょうどpodcastもキリよく終わったので、音楽を聴こうと用意してきたプレイリストに。
このプレイリストは、最初に作ったとき5時間を余裕で越えてしまい、サブフォーを目指すのに5時間はあり得ないだろうと、4時間以内に絞り込んだもの。(とはいえ、前半はpodcastで行くと決めていたので、結局後半は無意味になってしまうが…。)
最初のスティービー・ワンダー3曲で気分は最高潮で、タイムを見ても5分10秒を切るペースで走っている。まさにランニングハイ。ちなみに1曲目は「Living For The City」。エネルギーが満ち溢れる傑作。
第5給水所で復興支援ということで宮城のお菓子・伊達絵巻を口に入れ、その後、キリンジクラムボンと気持ちよく走る。

23キロ付近

1キロごとのペース
〜25キロ:5:11、5:08、5:08、5:15、5:27

走っているのは国道143号ということになるが、江の島からしばらくは、正面に富士山を見ながら走ることができる。写真では少し雲が出てしまっていて見えにくいが、大好きなきゃりーぱみゅぱみゅ「ファッションモンスター」「ふりそでーしょん」が聴こえてきたこともあり、富士山がどんどん近づいてくる多幸感。
トイレは、少ししたいかなあと思いつつも、どこも並んでいるので、引っ張って引っ張って27キロ付近でイン。並ばずに済ませて良かった。ただタイム上は1分以上のロス。

30キロ

1キロごとのペース
〜30キロ:5:21、6:41、5:13、5:25、5:25
〜35キロ:5:17、5:19、5:27、5:41、6:01

普段の練習では走っても25キロくらいまでなので、この辺からは何が起きるか分からない領域だ。
30キロ過ぎで聴こえてきたのはサンボマスターで、ちょうどいい具合に闘魂が注入できた。
まだ頑張れる!


今回のレースのひとつのポイントだと思っていた30キロ付近は辛いながらも順調で、トイレを出てから32キロあたりまでは5分20〜30秒とほぼ同じペース。近くをずっと並走していた人もいたので、その人に何とかついて行こうと決める。
なお、この辺からハーフマラソン向けの「あと5キロ」という(フルマラソン走者には)偽情報が出てくるが、こういうものには惑わされないぞと今の走行距離を改めて確認。

35キロ

1キロごとのペース
〜35キロ:5:17、5:19、5:27、5:41、6:01
〜40キロ:6:45、6:11、6:07、6:25、6:55

ここに来て緊張感が途切れたのか、ついに禁断の6分台。
終わってから考えると、登り坂が影響していたのかもしれない。さっきまで並走していた人にも置いて行かれる中、イヤホンから流れる歌はチャットモンチーの中でも「恋愛スピリッツ」や「CAT WALK」みたいな暗い歌。何故この曲を入れた!!!と自分を呪う。
その後、ピアノイントロが美しいパスピエ「七色の少年」で少し気持ちが明るくなり、はじめて気づいた「さぁ走り出せ」という歌詞に励まされた。在日ファンク水曜日のカンパネラを聴きながら、少しだけペースアップできた。37キロくらいまでは…。

37キロ〜40キロ

1キロごとのペース
〜40キロ:6:45、6:11、6:07、6:25、6:55

レース前にマラソン好きの知人から「湘南国際マラソンの第二折り返し地点がきつい」という話を聞いていたが、最後の少しの距離だからと侮っていた。
ハーフマラソンランナー用の偽表示にも注意しているし、対向ランナーがいたのは第一折り返し地点付近も一緒だから全く問題ないはず…。
しかし、いざ、残り5キロ強となって、ゴール直前の対向ランナーの横を走ってみると、これは相当に辛い。まっすぐの直線コースなのに折り返し地点が全く見えないことが、かなり精神的にきつい。
あまりの遠さに、距離が間違っているのではないか?長い距離を走らせようという魂胆か!と言いがかりを呟きながら走っていた。
よく考えてみると、順調だった33キロまでのペースよりも1分遅いので、次の距離看板がなかなか見えないのは当然だ。
ただ、そんな諸々を理解できたとしても、第二折り返し地点までは本当に辛く、折り返しまでが永遠に続くように感じた。
まだ届かない「永遠」まで行って折り返してもまだ40キロかよ!と毒づく。
実際、コース上の大きな問題は35キロから40キロまでの最も厳しい5キロの区間に給水所がないこと。
ゴール直前ということで、大磯プリンスホテルの敷地からバンド演奏なんかもしていたが、iPhoneから流れる斉藤和義「君の顔が好きだ」もバンド演奏も、どっちも聞こえないほど辛い状態に急降下してしまった。
スプリットタイムを見ても38〜40キロでペースは落ちる一方で、岡村靖幸を聴きながら、ついにキロ7分台が見えてしまうほど疲弊していた。


泥のようになった自分を抜いていく人たち。気持ちはどんどんマイナス思考になっていく。
今から駆け出しても、このペースだとギリギリサブ4は達成できない…。
かなり練習したのに、これでもサブ4はダメなのか…。
いや、むしろ、サブ4達成の喜びは次に取って置いた方がいいのでは…。

40キロ〜ゴール

1キロごとのペース
〜40キロ:6:45、6:11、6:07、6:25、6:55
〜42キロ:5:36、6:02

何とか「永遠」と名付けた第二折り返し地点に到着し、最後の給水所で水分を補給。
そのとき、「まだ走れるはずだ、今自分を止めているのは気持ちだけじゃないか」と、心の中の岩本能史が声をかけてきた。
まさにその通り!「永遠」を超えたので吹っ切れた自分は、何とか気力を振り絞って一歩また一歩を前に出すことに集中した。
聴こえてきた曲は「ハトヤ」。ロケットマンの「ハトヤ」だった。

伊東に行くならハトヤ
電話は良い風呂

知らなかったが、作詞は、ちょうど先日亡くなった野坂昭如
「4・1・2・6」の掛け声とともに力強く足を踏み出していく。
5分30秒の曲だったのに、7分以上あるように思うほど、この曲の存在は有難く、大きかった。
ペースは順調に走っていた33キロの頃の5分40秒内に戻り、そのまま、軽快なレキシ「妹子なぅ」で走り切る。全く意図したことではなかったけれど、この「ハトヤ」〜「妹子なぅ」には本当に救われた。
ラストはヒックスヴィル「レトロピカーナ」でゴール。
ネットタイムは3時間57分台でサブ4を達成!!!

まとめ

5時間超かかってしまった黒部マラソンから1年半。
練習に練習を重ねた結果、何とか目標としていた4時間を切ることができて心の底から嬉しいです。
20〜30キロあたりを走っているときは、もしかしたらサブ4とか楽勝でクリアしてしまうかも…という気持ちも浮かんだのですが、単純にそうはならないところがマラソンの面白いところであり、自分の心の弱いところです。最後の最後に頑張ることができたのは、数々のマラソン本の中でも岩本能史のこの言葉があったからかもしれません。

最後は気力だとか心の強さだとか、よく耳にします。「それはいったいどういうことなのかと中野先生やスパルタスロンを完走したランナーたちと会話することがあります。
きっとそれは、自分の本当の応援者は自分しかいない、ということを知っているかどうかだという意見で一致します。自分が自分を見捨てたら、誰も自分の味方にはなってくれないことを知っているかどうか。
一度しかない人生で、自分は唯一無二の主人公のはずです、それなのに、自分が自分を見限ってどうする。それでは自分があまりにもかわいそうではないか。他人に傷つけられたり裏切られたりするぶんには仕方ないけれど、自分が自分を裏切って、あきらめて、投げ出して、辱めてどうする。それは最悪のことだと知っているから、強くありたいと思うのだ、と僕は思います。
岩本能史『違う自分になれ!〜ウルトラマラソンの方程式』p172


次回はタイム的に次の目標を掲げられるレベルにはないので、再度サブ4をクリアできるように引き続き練習を頑張ります。

↑ゴール直後にJAでみかんを貰えたのですが5個も食べてしまいました笑。右はその後大磯漁港で食べたカレーうどん

1キロごとの全ペース
〜5キロ:6:28、6:27、5:45、5:19、5:26
〜10キロ:5:29、5:18、5:13、5:19、5:19
〜15キロ:5:03、5:10、5:14、5:19、5:21
〜20キロ:5:16、5:22、5:19、5:21、5:09
〜25キロ:5:11、5:08、5:08、5:15、5:27
〜30キロ:5:21、6:41、5:13、5:25、5:25
〜35キロ:5:17、5:19、5:27、5:41、6:01
〜40キロ:6:45、6:11、6:07、6:25、6:55
〜42キロ:5:36、6:02