読みたい心に火をつけろ!――学校図書館大活用術 (岩波ジュニア新書)
- 作者: 木下通子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2017/06/21
- メディア: 新書
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ビブリオバトルに出場するようになったのは2011年頃なので、自分も6〜7年くらい、読書の楽しさを人に伝えるイベントに継続的に参加しています。
自分はあくまで参加する立場ですが、その中で、読書イベントの企画・運営に関わる書店員さんや司書さんと話をする機会もあり、その人たちのことを思い出しました。
著者の木下通子さんは学校司書として30年以上働いている方です。ビブリオバトル、埼玉県高校図書館フェスティバル、埼玉県の高校図書館司書が選んだイチオシ本などのイベントに携わっていたということで、それらのイベントの苦労話が書かれています。
特に、ビブリオバトルについては、普及委員もされているということで、割かれているページは多く、とても親近感が湧きました。
司書としての活動、また、2000年から2012年まで中止されていた埼玉県の司書採用試験を再開するための努力の話も多く、司書という立場についてもたくさん書かれています。しかし、それよりは、イベントをめぐるあれこれの印象が強く、職業の紹介よりも、木下さんの「たくさんの人に本を読んで欲しい」という気持ちが伝わってくる、そしてその意味で、タイトルに偽りなしの熱意溢れる楽しい本でした。
最終章の5章『「読む」ことって何だろう?』では、何のために本を読むのか?という大きなテーマについても書かれていますが、その中で、(特に若い時代には)教養書よりも物語や小説を薦めているのも納得です。
それは、何度も言っていることですが、生きるあなたに寄りそってくれる存在だからです。
ご自身の「小説に救われた」体験についても書かれていましたが、 まさにその通りだと思います。
2017年のイチオシ本は、ちょうど2/16に発表になるということで、こちらも楽しみです。過去のランキングを見ると、知らない本も結構あったので、そちらの方も読んでみたいです。
⇒埼玉県高校図書館フェスティバルのホームページ
参考(過去日記)
- スピーチで大事なこと、ビブリオバトルで大事なこと(2012年12月)
- 第1回オリジナル・ラブファン限定ビブリオバトルの開催報告(2013年7月)
- 聞かれたくなかった質問〜森岡正博『感じない男』×サンキュータツオ・春日太一『俺たちのBL論』(2016年4月)
- 知らない人こそ読んでほしい!〜『なみきビブリオバトル・ストーリー』(2017年9月)