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『24時間戦争』vs『フォードvsフェラーリ』

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24時間戦争

24時間戦争

  • メディア: Prime Video

『フォードvsフェラーリ』があまりに面白かったので、Amazonプライムで観られるドキュメンタリー作品『24時間戦争』を観た。
よく言われるように 、『フォードvsフェラーリ』は、フェラーリの影が薄く、タイトルに偽りあり、なのだが、『24時間戦争』は、双方のオーナー、メカニックやドライバーなど関係者の言葉が、同程度に扱われており、「対決」感は映画よりも強い。特に、1968年のル・マンでは、両者が新開発のエンジンで競い合うというムネアツの展開で、F1ブームのときに楽しんでレースを観ていたときのことを思い出した。
また、『24時間戦争』を見ると、クライマックスの1967年のル・マンでの印象的なエピソードが実際に起きていたことが分かる。

  • スタート時に、ケン・マイルズの車はドアが閉まらないというトラブルに見舞われた。
  • ゴールは、独走していたケン・マイルズが嫌々ながらも、for the teamの精神で、フォードの「1-2-3フィニッシュ」を受け入れた。
  • しかし、スタート位置の関係から、最初にゴールしたケン・マイルズは2着となった。

また、1967年のル・マン後のケン・マイルズの死についても取り上げられており、『フォードvsフェラーリ』の答え合わせとして、とても興味深く観ることができた。


しかし、『24時間戦争』は退屈だった。


やはり『フォードvsフェラーリ』は、クリスチャン・ベイルの映画だったということを改めて実感した。
先にも書いた通り、フェラーリとの対決ではなく、フォード内の実務vs上層部を描いた映画だが、1-2-3フィニッシュをはじめとする上層部からの馬鹿げた提案に対して、ケン・マイルズは決して激怒したりしない。むしろ口角を上げて冷笑する。あの表情!!
常に「あの感じ」だからこそ、たまに息子に見せる情熱や、キャロル・シェルビーとの喧嘩のシーン、奥さんとへの愛情が伝わる場面が強く印象に残る。


そして何と言ってもレースシーン。映画を観終えて3時間近く(映画は152分)経っていることに気がつき驚いたが、それは、念入りに描かれていたレースシーンを短く感じていたからなのかもしれない。あれほど手に汗握ってレースを見ることができたのは、ケン・マイルズというキャラクターの魅力あってこそだろうと思うと、改めてクリスチャン・ベイルの演技の良さが思い出される。
何度も書くが、自分が映画を観るのは、好奇心を「煽る」ため。モータースポーツや自動車メーカー、そして俳優としてのクリスチャン・ベイルに興味を持てたこと自体が、狙い通りで本当に良かった。