Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

映画の中で見える「強さ」~『キングダム』×『散歩する侵略者』

最近見た映画の感想を二つ合わせて。

キングダム

キングダム(映画)

キングダム(映画)

  • 発売日: 2019/10/09
  • メディア: Prime Video

キングダムは、昨年、映画館で予告編のみは何度も見ていたが、結局、テレビ放送のタイミングで鑑賞。とても流行っている原作は未読。
感想はお金を払っていないと緩くなるけれども、「二人」を見ただけで満足できた。その「二人」とは、天下の大将軍・王騎を演じた大沢たかおと、この映画本編のラスボスともいえる王弟派の元将軍・左慈を演じた坂口拓
この二人は、他の出演者と比べると、「強さ」が圧倒的に映る。逆に、この映画の最大の問題は、信(山崎賢人)、エイ政(吉沢亮)率いる、王派が強く思えないこと。
信の言動が、あまりに平成(令和)のヤンキーっぽいのは気になるも、主人公2人がカッコよかった(特に吉沢亮)のは良かった。しかし、結局、彼らが戦に勝ち進める理由が「なぜならそれは主人公だから」としか言いようのないものであることが残念だった。(ライムスター宇多丸による映画評でよく言うところの「ロジックがない」)
特に、え?これで勝っちゃうの?と思ったのは、3つのシーン。

  • 序盤、2人が出会う場面での刺客(映画アバターっぽい顔の)朱凶と信の対決。(序盤なので、一回負けとくんだろうと思って観ていた…)
  • 終盤、王と山の民の軍が、形勢的に圧倒的不利の中で王弟軍を打ち破る場面。(城郭から矢が降り注ぐ中で勝てる理屈がわからない)

そして、ラストの信×左慈は、作用・反作用の法則を無視するような、佐慈をぶっ飛ばす蹴りなど、戦いがフェアでなさ過ぎて、勝った感じが全くしない。
ラストで圧倒的な強さを見せる王騎がいなければ、全く締まらなかっただろうと思う。ちなみに、 王騎は表情や発声が独特で、全体的にロバート秋山に見えてしまったが、それほど、大沢たかおに何かが憑りついていたともいえる。

散歩する侵略者

散歩する侵略者

散歩する侵略者

  • 発売日: 2018/03/07
  • メディア: Prime Video

正直言って意味が分からない、でも雰囲気のある映画だった。
前半は良い。地球人になりすまして宇宙から来た「侵略者」が「概念」を奪っていくという設定は、シュールかつ怖さもある。しかし、ラストに近づくほど謎が増えていくストーリーで、そこをどうとるかで感想は分かれると思う。

『キングダム』で「山の民」の王を美しく強く演じた長澤まさみだが、こちらは「迷い戸惑う」長澤まさみで、何を考えているのかわからない松田龍平(侵略者)との組合せにも、ラストで「愛」を感じることができたのは良かった。

そんなことよりも『キングダム』との比較で言いたいのは、長谷川博己高杉真宙チームにいて、やや出番の少ない恒松祐里の「強さ」。彼女も侵略者(宇宙人)で寡黙なキャラクターながら、アクションシーンでは大勢を相手に圧倒的な「強さ」を見せる。
『キングダム』の山崎賢人のような変なCG(ワイヤーアクション)がないからというのもあるが、殺陣が本当に見事過ぎて驚いた。『殺さない彼と死なない彼女』では「地味子」というキャラクター名通り、そこまで目立たないキャラクターだったので、ここまで「強そう」な側面があるなんて思わなかった。彼女が出演する映画も追いかけたい。『凪待ち』にも出ているのか!

凪待ち

凪待ち

  • 発売日: 2020/02/20
  • メディア: Prime Video


そういえば、『キングダム』で味方の武将・壁を演じる満島真之介は、こちらでは引きこもりの青年の役でした。顔が似ている勝村正信のイメージからなのか、ハンサムだけどとても憎めない感じ。