Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

2022-05-01から1ヶ月間の記事一覧

上半期ベストの「読みやすいSF」~アンディ・ウィアー『プロジェクト・ヘイル・メアリー』

プロジェクト・ヘイル・メアリー 上作者:アンディ ウィアー早川書房Amazonプロジェクト・ヘイル・メアリー 下作者:アンディ ウィアー早川書房Amazon 上半期読んだ小説では「ベスト」と言える、万人にオススメできる本でした! 地味な序盤 今年は、アトロク由…

まじめか!~潮谷験『エンドロール』

エンドロール作者:潮谷 験講談社Amazon 『時空犯』でリアルサウンド認定2021年度国内ミステリーベスト10第1位に輝いた著者の、待望の長編!202X年。新型コロナウイルスのせいで不利益を被った若者たちの間で自殺が急増する。自殺者の中には死ぬ前に自伝を国…

もっと『メギドの火』っぽいと良かったな~樋口真嗣監督『シン・ウルトラマン』

自分はウルトラマン世代というには少し年代が下で、リアルタイムの放送は「ウルトラマン80」で、再放送(マン、新マン、セブン、タロウ、エース、レオ)をちょこちょこ見ていたが、怪獣大百科はよく読んでいた。 その後、関連著作を読んだことをきっかけに5…

痛い!でもまた観たい~白石和彌監督『死刑にいたる病』

これは宮﨑優の映画 W主演の阿部サダヲ、岡田健史の演技は勿論、印象に残る。 それでも、やはり、加納灯里役の宮﨑優さんの映画だったでしょう。この映画は。 それなのに、パンフレットを買ったら、期待していた彼女の情報がほとんどなくて残念。 パンフレッ…

いつか私が。いつか誰かが。~佐々涼子『エンド・オブ・ライフ』

エンド・オブ・ライフ (集英社インターナショナル)作者:佐々涼子集英社Amazon ベストセラー『エンジェルフライト』『紙つなげ! 彼らが本の紙を造っている』の著者、佐々涼子が、こだわり続けてきた「理想の死の迎え方」に真っ正面から向き合った。京都の診療…

「知らない人」と話すこと~津久見圭『障がい者よ、街へ出よう』

障がい者よ、街へ出よう―「網膜色素変性症」で視覚をなくしても、現役プロデュプラチナボックスAmazon図書館の地域図書のコーナーで出会った本。 作者の津久見圭さんは、1970年の大阪万博のパビリオンディレクターとして、携帯電話を初めて世界に紹介した人…

安全保障への理解が深まった~グレンコ・アンドリー『NATOの教訓』

NATOの教訓 世界最強の軍事同盟と日本が手を結んだら (PHP新書)作者:グレンコ・アンドリーPHP研究所Amazon 陰謀論より現実の敵、中国とロシアを直視せよ! NATO(北大西洋条約機構)には、世界で他に例のない実績がある。加盟国の本土が70年間、武力攻撃を受…

新しいタイプのミスリーディング~『名探偵コナン ハロウィンの花嫁』

備忘録として今年のコナンの感想を。 『ハロウィンの花嫁』総括 今回のコナンは鑑賞直後の満足度が高かった。 ただ、あれ?何に満足したんだっけ?とも思ってしまった。 それは何故かよくよく考えた結果、「それはやっぱり観る前の期待値が低かったからじゃ…

中盤の「対話」シーンに驚き~潮谷験『時空犯』

時空犯作者:潮谷 験講談社Amazon 私立探偵、姫崎智弘の元に、報酬一千万円という破格の依頼が舞い込んだ。依頼主は情報工学の権威、北神伊織博士。なんと依頼日である今日、2018年6月1日は、すでに千回近くも巻き戻されているという。原因を突き止めるため、…