最近と言っても、ここ数ヶ月だが、いろいろ読んだのでまとめて書く。
最終巻。突然、この巻を通して、浅葉君にスポットライトが当たり、とまどうも面白かった。最終巻としては可も無し不可も無し。
ところで、僕は、NHKの朝ドラ『ファイト!』を欠かさず見ているのだが、最近、どうも納得行かない展開*1があって、こういうの前にもあったなあ・・・と思っていたのだが、コレを読んで思い出した。
そう、それは、一つ前の20巻での有馬君の進路選択について。(読んでいない人のために具体的な内容は一応伏せておく。)物語の展開自体にさほど影響はしないのだが、「そんなわきゃない」という展開にがっかりした。
21巻を通すと、やっぱり、韓国ドラマばりに過去の因縁が次々と現れる後半部よりも、明るくドタバタしていた前半部の方が面白かったなあ。
僕は、この種の話題はあまり好きではないので、特に本を読んで勉強することもなかったが、小林よしのりのマンガも少し読むし、ネット大好き人間なので、全く知識が無かったわけではない。そのため、全部が新しく知ったものというわけではないが、一連の議論を通して認識できたという意味で、ためになった。ただ、表現が大袈裟に感じる部分もあり、眉に唾つけて読む本と言えるだろう。
過去の歴史の解釈については、自分では結論づけられない部分ばかりだが、現在の日韓を見ると「反民族行為真相究明法」なんてものが成立している韓国と「人権擁護法」*2が通りそうになっている日本、両方とも、相当におかしな部分を抱えているということはわかった。
いろいろとぐぐれば出てくるのかもしれないが、以下の2つは読んで、この本自体がどう評価されているのかは確認しておいた。
http://amrita.s14.xrea.com/d/?date=20050801#p01
http://wiki.fdiary.net/rir6/?%C3%A6%A1%A6%A5%DE%A5%F3%A5%AC%B7%F9%B4%DA%CE%AE
マンガは9話+エピローグで、それ以外に、知識人のコラムもあるが、その中では、大月隆寛のものがわかりやすく、共感できた。その中でも触れられているように、「自虐史観」とは言わないまでも、反韓、嫌韓が嫌いな人こそ、一度「嫌韓厨」をくぐっておくことに意味があると思う。
言わずと知れた、吾妻ひでおの「全部実話」のノンフィクションマンガ。路上生活時の話がやっぱりすごい。ゴミ置き場の瓶に入っているお酒の残りを集めてつくる「あじまカクテル」など、忘れられないエピソード多数。
妻子がいるのに路上生活する作者も相当なものだが、それを待っている奥さんもかなりの人物だ。
全編を通して、悲惨な話が面白く書けているし、何よりマンガとして読みやすい。ただ、僕は配管工をやめるときのエピソード(P124)に全く共感できない。こういう漫画家を相手にする編集者は大変だろうなあ、と思う。
こちらもノンフィクションだが、吾妻ひでおとは違い、妻子とは別れてしまったようだ。そのため、笑いの間にときどき挟まる「枯れた」部分が重い。
桜玉吉は、ファミ通に連載されていた『しあわせのかたち』が好きだったが、その後は、『のんきな父さん』一冊しか読んでいないので、最近の「日記」路線を読むのは初めてになるが、絵が巧いし、エピソードも面白い。家の購入など、緊張感のある話もあり、他のも読んでみたくなった。
- 島本和彦『卓球社長』
7月の試験勉強中は、本を読むのが面倒になり、いきおい帰りに立ち寄る本屋でマンガを買おう、という気になってしまい、マンガが増えた。そういうときに買うのは、地道に購入を続けている『吼えろペン』*3なのだが、ある日、吼えペンの横にこのマンガがあることを発見した。
この本、主人公が社長で掲載誌が『ビッグコミック』というだけあって、少年誌が多い島本作品では少し異色作になると思う。意外に「社長」の描かれ方に説得力があるのは、本人の経験によるところも大きいのかも知れない。*4
自分の息子に、卓球を通して「生き方」を伝える第六話のクライマックスに大感動。島本和彦の作品には、心に残る言葉が多く、『炎の言霊』などの名言集が発売されているのも頷ける。ただ、せっかく、マンガという読みやすい媒体なのだから、名言集ではなく原典(マンガ)で直接読みたい。
勉強に詰まったときに、家にある伊藤潤二の著作のかなりの部分を読み返したりもしたが、この巻は、やはりべらぼうに面白い。(これ以外の巻は大学生時代にかなり読み込んだ話が多いので覚えてしまっている、というのも理由の一つだとは思うが)
特に、高橋克彦が絶賛していた「長い夢」。以前はそれほどでも無かったが、これは凄い話。グレッグ・イーガンにありそうな内面掘り下げSF?短編。
参考(過去の日記):以前の感想