健康欄『交代勤務の科学/「過労で大事故」防ぐ』(睡眠を知る)
先日のクローズアップ東北で、高速バス運転手の過酷労働に関する特集をしていた。
大事故こそ起きていないが、労働状況は悪化しており、急なめまいなどから事故寸前まで行く事例が増えてきているという。紹介されていた昨年の例は、つい先日乗車した「仙台−酒田」線で驚く。(なお、仙台−酒田線は、途中、休憩を挟まず、3時間半走り続けるという、乗客もやや負担を感じる路線)
原因は、規制緩和でワンマンを交代勤務には変えられない事情があるという。値段も手ごろで時間も正確なのだが、運転手側としては、時間の厳守は過度のストレスを生むというので難しいところだ。
記事も無理な勤務シフトによる疲労が大事故の原因となることを警告したものだが、以下の記述が興味を引いた。
交代勤務の計画をつくるコンサルタント会社が世界でできはじめている。高い学問的水準を持つ大学や研究所と関係を持ち、交代勤務における問題点の調査からはじめ、証明や施設管理まで交代勤務に関する最新の科学的ノウハウを提供する。経済効率向上と事故防止に大きな力となる。
外部コンサルタントへの委託で、どの程度の部分まで解決するものか興味は尽きないが、まずは、自分の職場での情報共有や技術継承など「交代勤務」のための基本的課題を解決しておかなければならないと反省。
健康欄『ガーデニングの落とし穴/農薬中毒ご用心/風邪に似た症状』
ガーデニングを行う際に農薬の使用は不可欠になるが、農家に比べて家庭での使用はずさんになりがち、という記事。
自分は、賃貸でもあるし、ガーデニングには全く興味がないが、問題は、健康被害が使用者だけにとどまらない点。家庭用の農薬で多く使われる有機リン化合物は慢性毒性があり、海外では使用が禁止されている国も多いという。
記事の中では、引っ越した先の向かいの家の農薬のせいで、体調が悪化、一ヵ月で家を移った人の例が挙げられているが、他人事ではない。特に子どもを連れて出歩くときは、周りの農薬に注意して行動する必要があるのかも。
読書欄 スタニスワフ・レム『大失敗』(評者:東京大学教授 沼野充義)
ここで、SFが紹介されるのも珍しいのではないか。
レムは昨年84歳で亡くなった巨匠。
人間以外の知性とのファーストコンタクトが「大」失敗に終わる話で、非常に難解のようだが、テーマ性も明確だし、読んでみたいなあ。(なお、自分にとってSF1冊読むのは、純文学小説3冊分くらいのエネルギーを必要とします。そして純文学は、なかなか読む気になれない・・・。)
社説「京都議定書」後へ 日本の主張を明晰に
EU首脳会議が2020年にCO2使用量を、1990年比で20%削減する目標を承認したというニュースを受けての社説。以下、論旨の整理。
EUに先を越された日本が、今後主導権を奪い返すには、6月にドイツで開かれるG8サミットで独自の枠組みの構想を示す必要がある。
EUについては以下の点で評価できる。
- そもそもEUにとっても20%は厳しい数字である。(さらに日米も協調するなら30%削減と言っている)
- 目標に向けた取り組みとして、自然エネルギーの利用拡大のための法制度や、排出権取引など、経済と環境を両立させる努力を続けている。
日本の排出削減目標は以下の認識の下に早急に進めるべき。
- 排出削減の努力は京都議定書の目標達成にとどまらず、終わりなく続くテーマとなった
- したがって、EUに追随して中途半端な数値目標を掲げても意味はなく、少なくとも今後50年などの長期を見据えた目標設定が必要
- 省エネ先進国としてのディスアドバンテージは、それを反映させる形の評価基準づくりを日本が主導して行うことで解決するしかない(今の枠組みのままで文句を言っても始まらない)
具体的には、以下の二点が重要。
そのほか
*1:全地球の排出量の9割近くを占める国々。