- 作者: 森達也
- 出版社/メーカー: 理論社
- 発売日: 2004/11/19
- メディア: 単行本
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内容は割愛。ラストを引用。
肉だけじゃない。僕たちはいろんなものから、気づかぬうちに無意識に目をそらしている。見つめよう。そして知ろう。
難しいことじゃない。目をそらさなければ、いろんなものが見えてくる。そしていろんなものが見えるから、知ることもできる。そうすればきっと、部落差別はもちろん、世界中から差別なんて、いつかはなくなると僕は信じている。悲惨な戦争だって、いつかはきっとなくなる。そのときに僕たちは、きっと顔を見合わせてつぶやくだろう。不思議だなあ。どうしてあんな、バカバカしい時代があったのだろうって。
勘違いしてほしくないのだが、部落差別に特化して書かれている本*1ではないということ。ラストの文章を見てもわかるように、見えない部分を知ろうとする気持ちの重要性を説明している。
そういう意味では、以前、自分が安部司『食品の裏側』について書いた以下のエントリと主旨は同じだ。
ただ、森達也は「無意識に、目をそらしている」一般人の「無知」ではなく「無責任」の部分を強く示していたという感じを受ける。システム化された社会にも問題はあるが、個々の意識で変えられる部分は社会のせいにしちゃだめ、ということだ。
森達也は二冊目だが、考え方に共感できる部分も多いので、もう少し読んでみたい。