Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経概観5/6(日)

LNG発電8ヶ所建設/電力大手、5年でCO2を一割減/四国電・沖縄電が初導入

LNGの特徴は以下の通り。

  • 液化することにより体積が1/600となり、輸送が容易(受け入れ基地で気化し使用)
  • 日本は世界の消費量の4割を占める。調達先はインドネシアが1/4だが、近年分散化を進めている
  • 炭素を含む割合が低く、一定の発電量あたりのCO2排出量を石炭より4-5割、石油より2-3割減らすことが可能。
  • 発電コストは石炭より高いが、価格は石油より割安

電力業界の目標は「2010年に1990年比2割削減」であるとされるが、現在の到達状況が明記されていなかった。

経済連携協定相次ぐ(26面・視点・ニュース入門)

3面社説、5面記事でも扱われていたFTAについての基礎知識。

  • EPA=FTA+α。FTAは関税撤廃の取り決めのみ。世界ではFTAが主流だが、日本では、EPAが主流。(農産物の関税撤廃に消極的なため、それ以外の要素を軸に交渉を進めるため)
  • WTOでの多国間交渉は難航しているが、二国間が基本のEPAFTAでは迅速・柔軟に合意が可能。
  • オーストラリアとの交渉では、特に農業分野での関税撤廃が必要。
  • それ以外の日本の課題としては、交渉体制がある。米韓などは一つの政府機関が対応しているが、日本は四省体制で各省が拒否権を持つため、必然的に交渉が遅れる。

記事を読むと、日豪の取引の中では、農産物の関税撤廃である程度の譲歩が必要になることは間違いないようだが、農業者が路頭に迷わない程度に効率化を図ることを目指してほしい。少なくとも、やる気をそぐような取引(たとえば不平等な協定)は絶対に避けたい。
なお、上記の理屈で言えば、今回、日本とASEANで大枠合意に至ったのはEPAということになる。
このコーナーでもEPAを用いているが、日経社説では、以下の通りFTAを用いている。

 日本と東南アジア諸国連合ASEAN)全体の自由貿易協定(FTA)交渉が大枠で合意した。日本にとっては、特定の国ではなく地域連合体と相互に市場開放する初の例となる。経済連携の相手が「線」から「面」に広がる節目とも呼べる経済外交の成果だが、同時に日本の通商政策の課題も浮き彫りになった。

時事通信では、やはり以下の通りEPAを用いているので、日経社説が誤りなのだろうか?それとも、同種の内容にはFTAという用語を用いるのが一般的で、広義のFTAと狭義のFTAがあるのだろうか?

 【バンダルスリブガワン4日時事】甘利明経済産業相は4日、ブルネイで開かれた東南アジア諸国連合ASEAN)との経済相会議に出席し、経済連携協定EPA)締結交渉の物品貿易について大枠合意した。日本側は協定発効から10年以内に輸入額の92%で関税を撤廃、ASEAN側は10??15年かけて90%撤廃することになった。

最相葉月星新一 1001話をつくった人』/筒井康隆『巨船べラス・レトラス』(22面・読書)

狙ってのことか、書評欄のトップ2を日本SFの大御所が占めることに。
前者は、星新一の素顔を明らかにしようというノンフィクション。最相葉月は、常に気になるノンフィクション作家なので、これを手始めに読めないか。(『絶対音感』を未だに読んでいない!)
後者は、筒井康隆の小説。現在の日本の純文学界の状況を揶揄するような内容や、メタフィクション的な仕掛けが満載のようで、楽しめそう。カバーは和田誠か?

働く妻「家政婦雇いたい」(12面・家族会議)

家事代行サービスの市場規模は2000年で550億⇒2010年で1000〜1200億円と倍増する見通し。
ここでは、2時間6100円に降雨通費900円を加えた7000円を支払って、毎週金曜日に掃除を頼んでいる例が挙がっているが、別にセレブな暮らしをしている人でなくても、現実的な数字ではある。
それによって余暇が生まれるということ以外に、家事労働の費用的価値を意識しながら暮らしていけるという意味でも、むしろメリハリのついた生活を生む可能性もあるかも。

「心臓死で臓器摘出」急増/米で倫理論争再燃/政府は後押し/移植優先の不安も(34面・社会・世界いまを刻む)

脳死移植ではなく、回復見込みのない患者の延命治療をやめ、心停止を待って臓器を摘出する方法。
臓器不足という状況は理解しているし、無意味な延命治療は不要と考えていても、「臓器移植」となると、気持ちにブレーキがかかる。ゆえに、ドナーカードは持っていないし、今のところは今後持つ予定もない。
ただ、これはもう少し勉強すれば、他の答えが出てくるかも・・・。