安全破断−エキスポコースター事故(下)/あいまい基準危険潜む/甘い検査横行許す(39面)
遊戯施設やエレベーター事故の原因のひとつになった甘い検査の横行について、それを許す「業界の常識」を俎上に上げ、それらがはびこった理由を、検査マニュアルのあいまいな記述にあるとする記事。
記事によれば、「昇降機 遊戯施設定期検査業務基準書」では、60項目ある検査項目に対して「良好であるかどうか」などの記述内容でチェックをすることとなっており、たしかに曖昧だ。
あいまいな記述の原因は「製品の形状や性能が多様化しすぎている」というもの。
しかし、新法成立時には、「ザル法」という言葉が飛び交うように、法律や検査マニュアルを、すべての人が好意的に解釈するという性善説にのっとったつくりは通用しないと考えるべき。
インドネシア鳥インフル対策難航/放し飼い規制 住民そっぽ/死者数最多 危機意識薄く(35面)
住宅街での鳥の放し飼いを禁止する政府の規制策の効果が上がっていない。原因は以下のとおり。
- 放し飼いをやめ、小屋での飼育にすると運動不足になって味が落ち、売価も下がる
- 処分費用が高額であり、処分のインセンティブが働かない
- 感染症の情報がいきわたっていない
- デング熱など、ほかに怖い感染症がある(年千人以上が死亡)
問題は以下
二本の労働生産性なぜ低い?/手厚いサービスも一因/非製造業の効率化が課題(29面:ファミリー経済)
内閣府資料によれば、日本の労働生産性は、OECDなどの主要7カ国の最下位。
ここで語られる原因は以下のとおり。
- 90年代の日本はバブルの後始末に追われ、他国に比べ、IT利用が遅れた
- 小売業の事業規模が小さい(売り上げ規模に比して事業所数が多い)ため、商品の仕入れコストが割高、かつ、売り上げ規模の割りに労働者数が多い。
- また、米国では小売業全体のIT導入が進んだため業務効率が上がった
- 非効率な商慣行が残っている
- アウトソーシングが進んでいない
- 客の少ない夜間や日曜日の営業が過剰である(キリスト教の慣習が根強いドイツの卸小売業の労働生産性は米国の1.3倍、二本の2.7倍。)
- 包装などのサービスが過剰である。
後半部の理由を見るとわかるように、「過当競争で価格に転嫁できないまま“手厚い”サービスの提供が続いた」ことが生産性低下の大きな要因。一方で、サービスの質と労働生産性がトレードオフする場面も多い点も意識し、利便性と効率性のバランスが重要というのがまとめの言葉。
関連して、大前研一のコラムをリンクしておく。
さらには、せっかくコンピューターで仕事ができるようになっていながら、実際には会議を開いたり、電話をかけたり、「念のために」確認作業をしたり、とその原因はいずれも“コンピューターへの権限委譲”が進んでないことに帰着する。(略)
もちろん米国にもそういう問題を抱えていた時代もあった。しかし、今はその問題を乗り越えている。そして、どうしても人が多く必要とされる業務については、インドやフィリピンなど人件費の安い海外に委託している。(略)ところが我が日本ではなかなかそうはいかない。今後、労働生産性を高めるには、人間に依存しすぎている業務をもっと多く海外人材やコンピューターに任せなくてはならないのだ。
そのために必要になるのは何か。業務の分析だ。まずは業務をしっかり分析して、人に任せるべきものと、コンピューターに任せるべきものを分ける。定型業務と、一部の非定型業務をできるだけコンピューターに任せるようにするのだ。この作業がちゃんとできていないから、ここ20年くらいの間にOECDの中で最も遅れてしまっているのである。
金属価格が高騰/そもそもは?どうして?これからは?(ニュース入門:28面)
- 過去3年間で銅の価格は3倍、アルミは2倍、ニッケルは4倍。(鉄筋は1.5倍。産出量の少ない非鉄金属の方が価格の上下幅が大きい)
- そもそもは→経済活動映す鏡(経済活動が活発すると供給量は簡単に増やせないので価格に反映)
- どうして?→中印で需要急増(さらに実際の需要増だけでなく、思惑買いも上昇に拍車をかける可能性)
- これからは→上昇さらに続く(さらに進めば最終製品の値上がりに影響する可能性あり)
家庭紙再値上げ/ティッシュなど10%以上/製紙大手、原燃料高で(7面)
魚(マグロ)もジュースもマヨネーズも金属も紙も、値上げのニュースばかりで暗くなります。
今のうちに買いためておけばいいの?