Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経概観5/27

CO2抑制 省エネ家電の普及促進/購入に優遇ローン 家庭対象にモデル事業/政府・与党「省エネ診断士」新設

目標達成はできないにしても「京都」の名のつく約束をしている以上、約束を果たすべく全力での努力が必要で、家庭部門へのメスは、対応が遅いとすら言える。
基本知識は以下のとおり。

  • 家庭部門のCO2排出量は、国内排出量の1割強。
  • 現在排出量は年間1億7500万トン(2005年)
  • 目標排出量は年間1億3700万トン(08-12平均)
  • 排出量の4割は照明・家電で90年比50%増
  • 増加の原因は、(1)PCなどデジタル機器の(2)普及総世帯数の増加など

今回はあくまで「優遇ローン」とのことだが「買い増し」が増えれば逆効果となる可能性もある。そこで、優遇金利の適用などに家庭の状況からアドバイスをする省エネ診断士が必要となる、ということらしい。
が、記事でも突っ込まれているとおり、モデル事業では「排出削減効果だけでなく、特定業界への過剰な支援になっていないか、省エネ診断士が中立的な立場で助言しているか」の検証が必要。
でもねえ・・・省エネ診断士、必要かなあ?というのが印象。必要性の乏しい国家資格は、天下り先を増やすだけになるのでは?

三セク破綻 損失補償に制限/総務省検討 自治体財政悪化防ぐ(1面)

現状では制限がないため、金融機関がリスクを軽視して貸し出しやすくなり、事業の効率化が進まない問題があった。

  • 自治体が損失補償している三セクは489。補償額総額は2兆3千億円。

額が膨大すぎて嫌になる。感覚的によくわからないが、1都道府県あたり、10以上の三セクがあることになるのか。で、数字をそのまま割り算すると、ひとつの3セクで平均47億円の損失があるということか?全然想像ができない。
土居丈朗の本などを復習しなくては、という気分。
http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20050919

「モノ言う」ファンド関連の取引 英、便乗売買を監視/「要注意の行動」を例示

「モノ言う」投資ファンドのことを「アクティビスト」と言うということがわかった。

食品廃棄物のリサイクル拡充 小田急(7面・企業)

スーパー、ホテルで発生した食品廃棄物のリサイクルとのこと。そうあるべき。
飼料価格が上がりつつあり、リサイクルがペイすることになってきたのかもしれない。

喫煙抑制 議論進まず/業界や農家の利害も(11面・医療)

青森を車で走っていて、窓の外に見える畑の作物を同僚に聞くと「タバコ」だという。そのときまで、タバコが植物であることを思いつきもしなかったが、喫煙抑制の議論は、確かにタバコ農家の利益に直結する。そういえば、風の又三郎では、三郎がタバコの葉をちぎって「専売公社に見つかると大変だぞお」と脅されるシーンがあった。
さて本題。ここで取り上げられているのは以下の議論

政府の「がん対策推進協議会」は先月、がん対策推進基本計画に「喫煙率半減」の数値目標を掲げることで合意したが、厚生労働省が作成した基本計画の事務局案には、この目標が盛り込まれていないことが分かった。年間2兆円を超えるたばこ税に配慮する厚労省の姿勢が、背景に見え隠れする。海外では喫煙率の削減目標を設定する国も多い。喫煙が寿命を縮めることを示す研究データもある中で、命より税収を優先するともいえる姿勢に批判が出そうだ。

喫煙抑制が必要な理由は「がん対策」なのだが、当然「医療費の削減」も視野にある。将来を見据えた判断が必要という市民団体の意見も当然だ。

◇市民団体「たばこ問題情報センター」の渡辺文学代表の話 厚労省が今回のような弱腰で、国民の健康を考えているのかと問いたい。たばこの監督官庁財務省という国は世界でも日本ぐらいだ。喫煙に起因する医療費や労働力損失は7兆円以上という試算もある。目先の税収に目がくらみ、国全体のバランスを考えていないのではないか。

しかし、これについては、記事中で面白い反論があった。喫煙擁護派いわく「タバコを吸わないことで寿命が延びれば医療費は増える」というものだ。喫煙擁護派が「喫煙者」である場合、自虐的な発言だとなるが、「嫌煙家」であった場合、ちょっと冷酷な意見だ。
本題に戻るが、数値目標は欧米では成果を上げており、(税収もあるが)業界団体への配慮などから国としての当然の姿勢を示せない日本は、かなり心細い国であると感じられる。
そして、温暖化対策こそが、その姿勢が如実に出ている。
こういった日本の姿勢については、以前、安井至教授のHPで、かなり辛辣なコメントがあった。

C先生:日本社会というものは、比較的よくできた社会ではあるのだが、欧米(含むEU)の政府ができもしないことを平然と発表することに比べると、日本の将来への方針は、どの組織についても、また、誰が作るにしても、次のような態度で作られることが多い。
(1)「石橋を叩いて渡らない」、
(2)「合意をとりつけているうちに未来が来てしまうことを狙う」、
(3)「関係者の利害のすべてを盛り込むために、できるだけ平板的でインパクトが無いものを作る」、
(4)「できるだけ多くのしがらみに、なるべく引っ掛かりつつ検討する」。

A君:要するに、「駄目」だということですね。

要するに「駄目」だということ、らしい。

動物はどう歌われてきたか〜詩歌のこだま(小池光)(27面・詩歌・教養)

文春新書の『短歌博物誌』が紹介されている。「140種類以上の動物をコードにして万葉集から現代短歌までを読み直したもの」だという。これは面白そうだ。

究める〜北方謙三氏 国家と権力、物語で問う(27面・詩歌・教養)

出発は純文学。中上健次と出会い、文学から物語にシフトしたという。北方謙三は「ソープに行け」というイメージ(笑)しかないのだが、話題の『水滸伝』等、小説もしっかり読んでみたい。