Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経概観7/1(日)

毎日来たら読まないが、週一回なら何とか頑張れると思って続けている日経感想録。

航空機CO2、EUに規制見直し要求/日米中など共同で書簡/摩擦に発展も(1面)

 【ブリュッセル=下田敏】日米中など6カ国が欧州連合(EU)に対し、航空機の二酸化炭素(CO2)排出規制の見直しを要求したことが明らかになった。6カ国はEUに共同書簡を送り、海外航空会社への規制の一律適用に強い懸念を表明した。日米中などが共同で見直しを申し入れるのは異例。規制主導で地球温暖化対策を強化するEUとの間で摩擦が生じる可能性がある。

記事によれば、航空機からのCO2は2020年には現在の2倍以上に増えると推計されているという。したがって、何らかの規制は必要だが、EUのやり方に問題があるということだろう。
ところで、飛行機によるCO2排出はそれなりの負荷になっていたはずと、安井至教授の頁を見返してみると・・・。

A君:ということは、日本の航空機会社、JAL、ANAでの海外出張を止めれば、日本の温暖化ガス排出用は下がるということですか。

B君:いやいや。そうではない。国際線による二酸化炭素排出は、日本によるものとされていない。船が公海上で放出する二酸化炭素もそうだ。航空機や船の国籍には寄らないことになっている。

C先生:そうなんだ。その仕組み自体は非常におかしなことだ。地球に負荷を掛けていることは事実だし、航空機の負荷は、今後とも増加することが確実だから。

ただ、新聞記事の方を見返すと、航空会社が反発しているとのことなので、現在は航空会社の国籍によって排出国を決定しているのかもしれない。

「個衆」の時代/開化のカギ一人ひとりに(1面:ネットと文明・第12部 新しい現実(5))

前半部は、タイのタクシン前首相が、シドニーからYoutubeを使って影響力を示した話を引いて「放送局を制圧する、というような旧時代のクーデターの常道は通用しなくなった」としている。そういったときの情報発信者としての、賢い個人の集まりを「衆愚」ではなく「個衆」と呼んでいる。
後半部では、ヤフー「みんなの政治」を好意的に紹介。
長い特集の最後のようなので、結びの文はかっこいい。

この文明には王家も絶対君主も存在しない。ネットという利器は、社会を前進させる公器にも、人を傷つける凶器にもなるが、使い方は自分たちで決めるしかない。一人ひとりがネットを自分や社会の可能性を開く器として使いこなせればネット文明は開化の時を迎える。

簡単に感想。
特集全体のトーンはよくわからないが、ややネットを好意的に捉えすぎに思える。
ヤフー「みんなの政治」は、つい先日、切込隊長のところで取り上げられたばかりだが、とても上手く回っているシステムのようには見えない。
結びの文では「ネットを自分や社会の可能性を開く器として使いこなせれば」という条件がついているが、自衛隊や警察から機密情報が駄々漏れのニュースをよく聞く最近では、自分も含めて8割方は「使いこなせない」だろうなあ、と悲観的になってしまう。

社説「エコロジーとエコノミー両立示す教育」

 この幼稚園の園児らは週に二度、近くの深い森に入っていく。雨が降っても森で過ごす。園長は「自然と濃密に接触して育った子は注意欠陥・多動性障害(ADHD)が出にくい」と、遊具のない庭と森の遊びをたたえる。就学年齢前後に落ち着きのない行動として表れるADHDの解決策としても、自然との共生は一つの答えなのだろう。

ADHDは、先天的なものと理解していたが、ドイツの園長先生の認識は合っているのだろうか?
というか、年頃の子どもがいるので興味があるのだが、未だにADHDアスペルガー自閉症の区別がよくわからない。

太陽電池世界2位 独「Qセルズ」日本進出/シャープなどと競合(7面)

首位はシャープ。Qセルズは、アジアでは香港、杭州に続き3つ目の拠点として都内に支店を開設。旧東ドイツの新産業としても注目されるという。日本頑張れ!
⇒過去日記:日経概観6/17(日)
⇒さらに過去:太陽光発電について

紙媒体とネット 対立から融合へ(23面・読書:活字の海で)

紙媒体とネットの融合の例として、いくつか出ているうちのひとつ『ノー・ソリューション』。
結末は本に載せずにパソコンや携帯電話のサイトで読めるような工夫をした、とあるが、信じられない。現物を見たことがないのでなんともいえない部分もあるが、話だけ聞けば許せない仕組みだ。金を出して本を買う読者をバカにしている。
↓在庫なしとのこと。

ノー・ソリューション―解決編のない推理小説

ノー・ソリューション―解決編のない推理小説

囚人のジレンマ』(24面・読書)

囚人のジレンマ

囚人のジレンマ

二次大戦から70年代までのアメリカ史を俯瞰できるポストモダン小説?
表紙が印象的過ぎる。
ところで本書で大きく取り上げられる『ファンタジア』は、世界を善と悪の戦いに単純化し、アメリカの正義を喧伝する作品だというが、そうだったっけ?

規制、もはや手遅れ −ホテイアオイ(31面・サイエンス:生態系を乱す外来生物(14))

ホテイアオイは、水質浄化や鑑賞などを目的に全国で大量栽培されており、

「規制対象となれば利用が制限されるため、すでに栽培されているものが大量に捨てられ、かえって分布を広げかねない」(環境省

という。これは怖い。
なお、非常に近い親戚で、近くの池に金魚鉢の水とホテイアオイを捨てて、半月後に池を覆いつくす結果となり、重機が入る騒ぎを起こした人がいる。笑えない。

市場化テスト NHK受信料も対象/徴収業務を効率化/民間に委託 政府が検討(1面)

NHKは「われわれは『官』ではない」と抵抗している、というが、NHKの言い分の方が正しいように聞こえる。以前の記事にもあったように、省庁の業務でテスト対象とすべきものがもっとあるのではないか?
http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20070408/NK