- 作者: 北野勇作,前田真宏
- 出版社/メーカー: 徳間書店
- 発売日: 2001/01
- メディア: 単行本
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この宇宙のすべては、たったふたつの要素に分けることができる。
すなわち、甲羅の内と外。
何度も繰り返される、このフレーズが、物語の世界観。
でも、舞台は、木造二階建てのアパートのかめくんの部屋と、勤め先程度。
冒頭だけを見ると、
- 舞台は日本
- 過去に大きな戦争?あり
- 主人公はロボットに乗って戦うことになる
ということで、エヴァンゲリオン的なのだが、主人公はかめ型ロボットの「かめくん」という点が、あまりエヴァを感じさせない。
そして、物語は進むにつれて、哲学的な度合いを増す。かめくんの世界では、星間戦争(舞台は木星)が今も続いている、決められたシナリオどおりに。その理由が、かめくんの独白の中で明らかになっていくのだ。
300ページ中250ページくらいまでは、かなりわくわくして読めたのだが、自分には、ラストがぼやけてしまって、作品の核の部分を味わえなかった。
続編があるものだと思い込んでいたが、Amazonを見て、それもないことを知ってちょっと残念に思った。
もう少し力が充実したら、再度読んでみたい小説だ。