- 作者: 小島あずさ,眞淳平
- 出版社/メーカー: 中央公論新社
- 発売日: 2007/07
- メディア: 新書
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目次は以下の通り。
第1章 日本中の海岸に「ごみ」が漂着する
第2章 漂着ごみとはなにか
第3章 大量のごみが国を越えて移動する
第4章 「漂流ごみ」が海洋生態系を危機に陥れる?
第5章 漂流・漂着ごみに対処する法律・制度
第6章 進みはじめた漂流・漂着ごみ対策
「海ゴミ」の問題点は、目次タイトルを見ても分かるとおり
- 海で発生するものよりも陸上由来のものが多い
- 国を越える
- 結果として、排出者責任を問うことが難しい
- 現行法での対処も難しい
- 鳥類や海洋哺乳類が飲み込むなど、生態系に影響を与える
などであろうか。
1、2章では、海岸での漂着ゴミについて語られるが、河岸のゴミとの大きな差は、ゴミが次々に打ち上げられること。河川清掃であれば、少なくとも清掃後数日はきれいな状態が保たれるところを、海岸の場合、清掃後30分で元の状態、ということもありうるのだ。(地形状況による)
さらに、目に映る海面を漂う漂流ゴミだけではなく、海底に沈んでいるゴミもある、ということで、読めば読むほど「今そこにある危機」感は高まる。スペースデブリが不安だ、などと言うのも恥ずかしくなるくらい、海のデブリの問題は現在進行的だ。
全体として、プラスチックゴミについての言及が多かった。これは、実際に清掃活動の中で、プラスチックゴミが多いこと、加工前のペレット*1を鳥類がえさと間違えやすいこと、そして、何より安定しており、分解しにくいこと*2が、プラスチックが注目される理由だったと思う。
そんな中、最終章で、生分解性プラスチックについての説明があり、やや希望の光を残して終わる。が、川で、側溝で何気なく捨てたゴミが海を漂い、異国の地の海岸を汚したり、海洋動物を死に至らしめたりしていることを考えると、やはり、これも「一人一人の努力」の問題だよなあ。*3