夏以降、ようたのリクエストもあり、ドラえもんの映画を何本か見た。
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このうち、圧倒的に面白かったのは『魔界大冒険』。考えてみると伏線、敵、設定の綺麗さ、の3つが他を凌駕していた。リメイクされたのもそれ故かと思う。
伏線が成功している
『魔界大冒険』は、(1)冒頭ののび太の夢にも現れ、映画を象徴する三角帽子、(2)前半部で謎を残すドラえもんとのび太の石像(3)こじつけだが、のび太の夢に現れたドラミの3つが、ラスト付近で、はたと膝を打つ展開のアイテムとして機能しており、ストーリーとしてよく出来ている。
対して、『宇宙開拓史』は「のび太は早撃ちが得意」という基本設定が、伏線としてそれほど生かされていないのが残念。また、『大魔境』は、「10人の異人が巨神像の力をもって国を救う」という予言に対して、実際に国を救おうとするのは5人(のび、ドラ、ジャイ、スネ、しず)であるという矛盾が、ラストに解かれるが、展開が読めすぎで物足りない。『のび太の恐竜』は、特に伏線で勝負していない。
敵が敵らしい
『魔界大冒険』のラスボス「大魔王デマオン」は、ドラえもんにふさわしくないほどの悪魔キャラで、見た目も声も非常に恐く、倒すべき強大な「悪」として非常に納得ができる。
『大魔境』の敵は、クーデターを起こした大臣だが、やや力不足。特筆すべきは『宇宙開拓史』の敵で、「ガルタイト鉱業」という会社。当時の時代背景があったのかもしれないが、負けたあとの「本社の指示で」などの言い訳にトホホ感が漂う。
『のび太の恐竜』の敵は「恐竜ハンター」でオーソドックス。
設定が綺麗
『魔界大冒険』は、もしもボックスが生み出した魔法世界でのパラレルワールドの話。「科学」と「魔法」の状況が入れ替わった世界は、どのようになっているか、という「向こう側」の世界がわかりやすく提示されており、SFとして納得度・完成度が高い。なお、魔法世界内で地球の危機が迫る後半部で、のび太に「通常世界」に戻ることもできる、という選択肢が与えられる。ここで、たとえ「通常世界」とは無関係の平行世界のことであっても、仲間を救い、地球を救わなければ、と決意するのび太に全米が涙。
『宇宙開拓史』や『大魔境』は、ふだんは行けない非日常の世界で起きる冒険ということだが、『魔界大冒険』のような設定の綺麗さはない。タイムマシンものの『のび太の恐竜』も変わらない。
ただし、『宇宙開拓史』では、「向こう側」と時間進行にずれがある、などの話は上手く盛り込まれており、通常世界との往復の中で話が進む、というのは特徴的。
その他
というわけで、『魔界大冒険』の素晴らしさについて考えてみたが、久しぶりにドラえもんを見て、気づいたことなどを。
- 『大魔境』の舞台は、コンゴの奥地にある犬の国。そこに辿り着くまでに、未開地に住む原住民に襲われる話があるのだが、最近、人種差別的な表現があると問題になった『タンタンのコンゴ探険』の話を聞くと、やや問題があるのかも、と不安になる。
- 『宇宙開拓史』のコーヤコーヤ島のネーミングが「荒野」から来ていることに二十数年たって気づいた。
- 『のび太の恐竜2006』では、一新した声優に初めて触れたが違和感なし。ただし、ジャイアンの性格が、かなり誠実になった印象。(『大魔境』は、終盤でジャイアン大活躍なのだが、前半部は、やはり無茶を言うジャイアン)
- 『のび太の恐竜2006』になって、バッテリーの切れたタケコプターの描写が一新したように思う。(タケコプターをつけたのび太の方がくるくる回ってしまう)
- 『大魔境』『魔界大冒険』では、はじめに、のび太が基本知識を出来杉君に聞くシーンがあるが、本編には一切登場しない。可哀相だから誘ってあげてほしい。
- 逆に、コンゴの秘境に冒険に行く、という誘いに乗るしずかちゃんの心理状況は理解できない。
ドラえもん映画(もしくは子供向け作品)で、これは見ていた方がいい、というものがあれば是非教えてください。