Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

図書館と僕(2)図書館の料金は?

図書館の料金なんて「ただ」に決まっているわけだが、先週土曜日の朝日新聞に、ちょっと考えてしまった記事があった。

変わる図書館/賢く利用するには?/民間の知恵で活気づく/会員制「第二のオフィス」も人気(朝日新聞1/24土曜版b4面)

大きく取り上げられていたのは、千代田区千代田図書館六本木ヒルズ49階のアカデミーヒルズ六本木ライブラリー(こちらは図書館ではない・・・)。
千代田図書館はこんな感じ。

  • 平日は夜10時まで営業。
  • 電源とネットワーク完備のデスクタイプの閲覧席やDVD鑑賞可能なAVブース席、集中して学習できるよう仕切られた個人用ブース席などがある。
  • コンシェルジュが観光や食事のスポットも案内。
  • サントリーパブリシティーサービスなど3社が指定管理者制度で運営。
  • 平日は3千人が来館。リニューアル以降3倍以上の来館者。

アカデミーヒルズ六本木ライブラリーはこんな感じ。

  • 会員は約3000人。
  • 本の貸し出しはせず、割安で購入が可能。
  • カクテルを飲みながら夜景鑑賞も可能。
  • 会費は月約1万円。

後者のようなサービスは、マンガ喫茶のような場所を「第二のオフィス」として利用するような人も多いだろうのでよくわかる。値段設定も妥当だろう。
しかし、前者は、これで継続できるのか疑問。指定管理者となっている企業や団体はCSRの一環なのかもしれないが、本体の経営が悪化したら手を引かざるを得ないことは必至。利用者が少ない日は安全面の問題もあるし、単純に考えて、夕方以降の利用については小額でも費用を取る方がいいのかなと思う(月額500円とか)のだが、うまく継続できるからくりがあるのだろうか。
なお、民間企業が図書館づくりのコンサルティングをするケースが増えている、というのは初めて知った。紹介されていたのは以下の会社。ちょっと面白そう。

当社は図書館支援サービスの一環として、学校図書館の受託業務を日本で初めて事業化しました。受託業務のリーディング・カンパニーとして、オンリーワン・ナンバーワンを念頭に、学校図書館公共図書館を問わず、全ての図書館を愛する人々へ夢の広がる図書館を提案・提供しつづけます。


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以降、先週返した7冊。

堀淵清治『萌えるアメリカ』

萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか

萌えるアメリカ 米国人はいかにしてMANGAを読むようになったか

総じて、米国における日本のアメリカ・マンガ普及に対してのポケモンの貢献度の大きさがよくわかった。
以下メモ。

  • アメリカで売られている雑誌のうち、87%が定期購読によるもの(上昇傾向)>(1)国土が広いため、日本の書店のようにあらゆる種類の雑誌を取りそろえることが難しい。(2)雑誌の郵送料金を低額化した19世紀後半の合衆国政策の伝統(ナショナルジオグラフィックなど)P173
  • 90年代のコミックバブルでコミックショップは半減。
  • 92年からビズ単体での販売。一般書店への流通。菊判に統一。250Pで15〜17ドル(P116)
  • 2001年ライバル社のトウキョウポップによる価格破壊。単行本サイズ、右開きのままの販売、オノマトペのレタッチを省略して日本語を残す→10ドル以下に。
  • 米国ではスポーツマンガの文化がないので、これから広めていく。

そういえば、小学館集英社は兄弟会社で、白泉社一ツ橋グループということなのを初めて知った。

藤井孝一『週末起業チュートリアル

週末起業チュートリアル (ちくま新書)

週末起業チュートリアル (ちくま新書)

昨年のベストセラー『夢をかなえるゾウ』なんかと違って、安易に転職を勧めない著者の主張は非常によくわかる。いろいろと参考にしたい。

  • 「おあずけ人生」は卒業して、今すぐやりたいことをやるべき(P85)
  • 人脈は一緒に仕事をして作るもの(P146)

畑仲哲雄『新聞再生』

新聞再生―コミュニティからの挑戦 (平凡社新書)

新聞再生―コミュニティからの挑戦 (平凡社新書)

ネット上に溢れる「マスゴミ」論調に傾いていた自分も、切込隊長の『情報革命バブルの崩壊』(情報革命バブルの崩壊 (文春新書))を読んで、新聞などの既存インフラとしてのマスコミの重要性を改めて認識したところだったので、渡りに船の一冊。時間切れで読めない部分が多々あったが、真摯な態度で新聞のこれからを作って行こうとしている人たちが全国各地にいることがわかった。特にカナロコの試みについてが面白かった。
これは類似本と絡めて再読したい。

吉田修一『初恋温泉』

初恋温泉

初恋温泉

6編からなる短編集。表題作の「初恋温泉」と高校生カップルが親をだまして温泉に行く「純情温泉」のみを読む。いつもどおり読みやすいが、同時期に『夜は短し歩けよ乙女』を読んでいたので、余韻を残す(オチをつけない)終わり方も含め、やや消化不良。
しかし、「初恋」+「温泉」というような、無理やり単語を二つくっつけるやり方は吉田修一得意のタイトルなのか、中でも秀逸の出来だと思う。装丁もものすごく良い!

メアリアン・ウルフ『プルーストイカ

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

プルーストとイカ―読書は脳をどのように変えるのか?

こちらも文化系トークラジオの柳瀬さんオススメということで予約したが、想像以上の厚みに、読む前から降参状態。結局1ページも読めずに返却。図も多いのだが、厚さが・・・。

さだまさし『本気で言いたいことがある』

本気で言いたいことがある (新潮新書)

本気で言いたいことがある (新潮新書)

ライブのMCの長さで知られるさだまさし。『解夏』などの小説も含め、その著作にはノータッチだったが、パラッと見ると、政治的なことまで踏み込んだ内容だったので、借りてくるも、これも読めず。今後は「0%返却」を出来るだけ減らそうと反省。