Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

この先が不安になる民主党政権の船出

話題になっているニュースの紹介を。

記者会見をオープンにすることを約束していた、民主党鳩山由紀夫首相の就任会見が2009年9月16日行われた。外国特派員記者など一部の記者が新たに会見に参加したが、ネットメディアは「締め出し」で、公約は守られなかった。会見でも、質問したのは朝日、読売といった大手新聞がほとんどだった。

神保哲生さんについて

選挙前に、神保哲生さんの『 民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか? 』を読んだ。

民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?

民主党が約束する99の政策で日本はどう変わるか?

やや好意的に捉えすぎ(否定的な部分が非常に少ない)と感じてしまうような内容だったが、基本的に、民主党のやろうとしていることにすべて触れているという意味では一冊を通して筋が通っており、興味深かった。
本の概要は、ダイヤモンド・オンラインの連載記事でも読めるが、神保さんが民主党政権をプッシュする大前提は、情報公開の精神にあった。これは、文章中のあらゆる場面で繰り返し強調されている。
そのひとつの象徴が「政府の記者会見をすべてのメディアに開放する」というものだった。
この話題は、記者クラブという既得権益に直結しているために、通常のテレビ・新聞では一切取り上げられないという。そこら辺の事情は以下に詳しい。

上杉隆さんについて

上杉隆さんは、著作を読んだことはないが、TBS RADIO「小島慶子 キラキラ」のpodcastは欠かさず聞いており 、これまたダイヤモンドの連載もよく読んでいる。民主党時代の鳩山邦夫の秘書だった人だ。
この人も基本的には民主党プッシュの人で、選挙前にはこんな報道もあったくらいだ。

民主党鳩山由紀夫代表は27日、政権交代が実現した場合、実弟の邦夫前総務相の元公設秘書でフリージャーナリストの上杉隆氏を報道担当の首相秘書官か補佐官で起用する意向を固めた。多摩大学長で日本総合研究所会長の寺島実郎氏も外交担当として同様の処遇をしたい考え。党内の了解が得られるかどうかが焦点だが、鳩山氏としては両氏とも、首相直属機関として新設する「国家戦略局」のメンバーも兼務させる考えだという。

選挙直後のキラキラpodccastでの本人の弁によると、全くのガセネタのようだが、その発言からは、やはり民主党政権への強い期待が感じられた。
そんな期待の中心は何かと言えば、やはり、「記者会見の開放」だったのだ。

じつは、鳩山政権に対して、筆者の関心はただ一点だけである。それは、鳩山内閣の発足と同時に、本当に記者会見をすべてのメディアに開放するかどうかに尽きる。換言すれば、明治以来、戦後を含めて官僚システムと一体となって続いてきた記者クラブ制度にメスが入るかどうかという点である。

そんな二人の「ガッカリ」対談

それほどまでに期待を集めておいて、冒頭のニュースである。

下の映像(朝日ニュースターニュースの深層」)では、本来なら前夜祭となるはずの二人の対談*1が、かなり怨念のこもったものに変わっているが、普通にNHKでニュース見ているだけなら全く取り上げられないニュースだからこそ、多くの人が知るべきだと思う。(6回に分かれていて長いですが)

自分は、いろいろと納得の行かない政策もあるものの、上に挙げた両名の意見を読んだりして、民主党の基本思想の部分には魅力を感じていた。また、公約を守る意志にも魅力を感じていた。いきなりの約束破りで、その二つが崩れてしまった今後、民主党政権のダメな部分ばかりに目が行きそうだ。
すぐに撤回してほしい。

追記

首班指名が滞りなく終わり、閣僚の呼び込みが始まった頃、上杉氏は永田町でこう息巻いた。

 「鳩山代表小沢一郎代表代行自ら、『民主党が政権を取ったら、会見はオープンにする』と、3度も約束した。にもかかわらず、最初の会見から果たされていない。事実上の公約を破り、国民の知る権利を侵害する行為で、極めて残念です」

さらに追記

まずは、よかった!

やっと外務省の記者会見が普通に国際標準になりそうです。セキュリティが人一倍重要な役所が会見をオープンにした以上、少なくとも他の役所がセキュリティを言い訳にして、記者会見をオープンにしないことは難しくなりました。

これが他の省庁にも広がっていくことを願っています。というか、これからもこれまで以上にビンビンにプッシュします。

*1:番組内でもそういう発言があったが、朝日系列という大手メディアの番組での放送という点は驚きだが