少し前のエントリで、科学系、社会科系?絵本を取り上げて、「名作」と持ち上げたが、自分で書いていてなんだが、気持ちが悪い。
そもそも、絵本は、子どもが読むものであるから、名作かどうかは、子ども目線で語られなければならないはずだ。もちろん、先のエントリで、取り上げた絵本は、子どもの反応が良かったものを取り上げてはいるものの、図書館趣味自体が、親からの趣味の押しつけでもあり、「名作」とか言ってしまうのは言い過ぎの気がする。むしろ、「子どもにとっての名作」という括りで、親の好みを語っているに過ぎない。
話が飛ぶが、同様の主旨で、最近、安田成美が出演しているトヨタシエンタのCMが気持ち悪い。
「カエルぴょこぴょこ3ぴょこぴょこ 合わせてぴょこぴょこ6ぴょこぴょこ」から始まり、母子で早口言葉を言い合うものだが、ラストは、子どもが「けんたキュンキュン ママにキュン」と言って、二人の間にハートマークが浮かんで終わり、というもの。
そこには、一人の人間としての「けんたくん」はいない。母親を恋人のように慕う、母親の思い通りにつくられたモノとしての「けんたくん」だけが存在する。
母親にとっての息子というのは、そういう一面もあるのだろうし、父親にとっての娘であっても同様だ。しかし、安田成美の妄想としてではなく、実際の親子関係として「あれ」を見せられると、ついていけない。
9月26日付けの読売新聞に「大人に人気 子どもの科学本」という記事があった。
大人も楽しめる、充実した子ども向けの科学読み物や絵本が増えている。なかなか知ることのない科学の世界を、疑問に分かりやすく答える形でまとめているのが特徴。大人も科学の世界に引き込まれ、新たな知識を得られる。(17面〈くらし〉)
先のエントリと同主旨の記事だが、この取り上げ方なら違和感がない。つまり、あくまで「大人にとって面白い絵本」という括りであれば、上で感じるような欺瞞は生じない。
勿論、今後とも、ブログ内で絵本を取り上げる際には、子どもの反応がよかったもの、というのが第一条件にするが、「大人が楽しめる」という要素は、入らざるを得ない。図書館で借りてくる本も、90%は「親セレクション」なので、当然だ。そこら辺、シエンタの罠に陥らないように注意しながら書いていきたい。
なお、読売新聞記事で取り上げられていたのは、銀座の「教文館子どもの本のみせ ナルニア国」*1の科学本のコーナーで、実際の絵本としては、以下の3冊が取り上げられている。
0.1ミリのタイムマシン―地球の過去と未来が化石から見えてくる (くもんジュニアサイエンス)
- 作者: 須藤斎
- 出版社/メーカー: くもん出版
- 発売日: 2008/11/01
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- 作者: 板倉聖宣,藤森知子
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補足
トヨタシエンタのCM、youtubeにありました。こちらです。
嫌な気分になりましたでしょうか?
調べて見ると、2008年からしりとりのシリーズで、この二人は共演していてシリーズになっているのですね。
しりとりの方は印象に残っていませんが。
*1:行ったことありません。というか、銀座に行くのには、どんな服を着ていけばいいのでしょうか。笑