Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

座敷女と合コン女

合コンの最中、途中で帰ろうとした参加者の女性を殴り、けがをさせたとして、金沢西署は7日、傷害の疑いで福井市町屋1丁目、飲食店店員(25)を逮捕した。同署によると「場がしらけると思い、腹が立った」と供述している。

ニュースの見出し(合コン女を傷害容疑で逮捕 「しらける」と仲間を殴打)を見て、先入観から、男性が女性を殴打したと思い込んだ。「合コンで同席した女性を殴打した容疑で逮捕」を、変に略してしまったのだろうと考えたのだ。記事を読んでも、容疑者の名前*1も男性にもありそうな名前なので、記事全体を通して読んではじめて、殴打したのは、合コンに参加した女性、略して「合コン女」であることに気付いた。
それにしても「合コン女」ってなんだよ!事件を起こしたのが男性だったら「合コン男」という見出しにはならないだろうことを考えると、女性差別的というか、記者の純愛志向からくる悪意が出てしまっているのだろうか。容疑者の行動の怖さ以上に、ネーミングの怖さから、望月峯太郎のホラー漫画「座敷女を想像してしまった。

座敷女 (KCデラックス)

座敷女 (KCデラックス)

ところで、「合コン」というのは、確かに一般名詞なのかもしれないが、全く何も説明を要しないほど定着している言葉なのだろうか?この疑問に答えを求めるべく、元記事のある47NEWSで検索してみたところ、驚きの事実が・・・。

  • 出会い求め 男女26人、増毛で婚活ツアー(北海道)
  • 大分市でまちなか開業グランプリ最終審査会(会員制の「合コンセッティングサービス」というアイデアあり)(大分)
  • 富士吉原はしご酒で婚活+商店街活性化 お相手と店の魅力見つけて(静岡)
  • 参加1200 人「史上最大の合コン」 宇都宮を「出会いの街」に(栃木)
  • 森も愛もはぐくんで エコ体験型合コン企画 甲州NPO ペアで間伐、一体感(山梨)
  • ゲレンデが出会いの場 「恋人の聖地」で合コン  鳴沢のスキー場企画(山梨)
  • 「縁結びプロジェクト」 山中市長の公約実現 松阪市が合コン主催(三重)
  • ひざまずいて「自慢の花です」(3市町の農業青年による「婚活合コン」について)(北海道)

47NEWSという媒体のせいもあるだろうが、昨年9月まで遡っても、合コン関連のニュースは、全て地方の活性化(婚活)イベント関連のニュース浦和駅なんかにも、農村での合コンイベントのポスターなんかが貼ってあるのを見たことがあるが、想像以上に危機感を持って取り組んでいる地域が多いのだなあ。
森林の間伐作業というエコ体験と合コンをセット」とかあり得ないだろうと、はじめは笑ってしまったが、昨今の沖縄問題にしても、口蹄疫問題にしても、地方の問題意識を中央(政府)が共有できていない部分というのが、根本にあると感じている。(自分も半ば他人事として暮らしている)ニュース記事として扱われると「軽い」感じもするが、本当は、非常に深い問題なのだろう。


で、元に戻ると、「合コン女」は、やっぱり悪い人じゃない。誰が見出しを考えるのか分からないが、見出し案出者の悪意だな。これは。

*1:逮捕時の実名報道は、議論が分かれるところかと思い、引用部分では削除。元記事にはあります。