Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

非実在ラー油と僕

桃屋が「辛そうで辛くない少し辛いラー油」を発売したのは2009年8月。
商品が売れすぎてCMの放送からおよそ10日間程度でオンエア自粛となったテレビCMで話題沸騰となり、桃屋の「お詫び文」が出たのが2009年10月。
その頃から、気になり始め、スーパーに買い物に行くたびにラー油コーナー観察は欠かさないし、通勤途中にある高級スーパー、出張先にあった大型店舗、とにかく探すも、常に「品切れ中」の文字が。とにかくいろんなところを探した。

いつでも捜しているよ
どっかに君の姿を
向かいのホーム
路地裏の窓
こんなとこにいるはずもないのに

    • -

交差点でも
夢の中でも
こんなとこにいるはずもないのに

    • -

旅先の店
新聞の隅
こんなとこにあるはずもないのに

当然、「急行待ちの 踏切あたり」も探したわけだ。*1


2010年3月に発売されたエスビー食品「ぶっかけ!おかずラー油チョイ辛」の頃は、ブログ等で比較する人も多く、いわば公式ライバルと言えるので、桃ラーが無いのならば、これでも買いたいと思ったものだ。
しかし、これも常に品切れ中。
「人気商品ですので、お一人様一個までとさせてください」などという注意書きだけを繰り返し読むことになる。
まだ、その人気商品を見たこともない人に何度も注意するのは止めてくれ!と逆切れしそうになる。


今年の夏頃から、一気に商品が増えてきた。
スーパーには、複数種の具入りラー油が並ぶことになった。
地方のお土産には、コーナーが出来るほど「具入りラー油」が並ぶことになった。
が、今さら路線変更は出来ない。


モスバーガーが2010年6月にラー油バーガーを発売した頃から、コンビニの総菜パンにも具入りラー油入りのものが出てくるようになった。
当初は無視していたが、最近、どんなものかと食べてみた。
出来損ないの肉まんの具がボソボソ入っているようで、具入りラー油が何かは全く分からなかった。駄菓子のコーラアップを食べても「コーラ」とは何か想像できないのと似ている。


一時期は、自分が角を曲がるタイミングで、スーパーの店員が総がかりで商品を隠して、代わりに「お詫び」プレートを目にも見えぬ速さで置いているのではないかなどという妄想も抱いたりしたが、さすがに無理というもの。
これはもはや、桃ラー自体が実在しないのではないか考えた方が、全てがスッキリ理解できるのではないか。
常に店頭に並ばないことで、商品への渇望を呼び、飽きやすい日本人にしてはかなり長期のブームとなり、結果的にバリエーションも増え、「具入りラー油市場」を創り出していること。
(実際には商品を出さない)桃屋としてはメリットが少ないが、業界全体として売れ行きが伸びていること(?)を考えると、新しいタイプの談合なのかもしれない。


いや、AKB48も自分が名前を把握している4〜5人以外は実在せず、SKE48アイドリング!!!ももいろクローバーと常にメンバーが入れ替わり、いわゆる「アイドル戦国時代」自体が非実在の商品を元に作られているのではないか?


−−−
ラー油ブームは元を辿れば、石垣島ラー油に当たるようだが、やはり桃ラーにこだわりたいところ。Amazonでも取り扱いがあるみたいだけど、何だか店頭で発見する歓びを感じてみたいなあ。あと少しで、自分が探し始めてから1年も経つわけだし。

桃屋 辛そうで辛くない少し辛いラー油 110g

桃屋 辛そうで辛くない少し辛いラー油 110g

*1:山崎まさよし『One more time,One more chance』より引用