荒木飛呂彦『スティール・ボール・ラン』(8)〜(10)
STEEL BALL RUN vol.10―ジョジョの奇妙な冒険Part7 (10) (ジャンプコミックス)
- 作者: 荒木飛呂彦
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2006/11/02
- メディア: コミック
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7巻最後に登場したリンゴォ。こういうタイプのキャラクタは、容姿も含めてジョジョにはあまり登場しなかったかもしれない。6秒戻ることができるというスタンド能力と絡めた、ジャイロとの西部劇の早撃ち風対決は名場面。リンゴォの語る『男の世界』は、シリーズ全体のダンディズムを象徴しているようで、その後も、ジャイロが呟いたりしている。
一方で、主催者の妻である14歳のルーシー・スティールにも過酷な役割が与えられることになる。ルーシーを追い詰めた、ブラックモアの雨粒を固定するスタンドも、スタンドの姿よりも能力に重きが置かれており、物語の中でスタンドが登場する必然性があり、3〜4巻のダラダラした展開とは全く違ってきている。
10巻では、ジャイロがルーシーに「右眼」を渡すシーンがある。スタンド能力が無くても「技術」で乗り切れるという自信の現れだ。
そして巻末には、スタンドに関する補足説明が十数ページに渡って加えられており、最後は、こう結ばれている。
古代人の叡知は
このスタンドの才能を引き出す道具を
偶然なのか
なるべくしてなのかは知らないが
発明、作り上げている。
そして、第一部「ファントム・ブラッド」の「波紋」や
この第七部「スティール・ボール・ラン」の「鉄球」は
このスタンドの才能に
近づこうとする「技術」といえるのだろう。
やはり、この第七部には、「才能」VS「技術」という裏テーマが横たわっているようだ。作者自身が、第三部以降のスタンド重視の流れ、ひいては才能重視の最近のストーリー漫画の流れに抵抗しようとしているようで面白い。
椎名軽穂『君に届け』(4)〜(6)
- 作者: 椎名軽穂
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2008/03/25
- メディア: コミック
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面白いんだけど、6巻まで来ても、このマンガを絶賛する気持ちになれないのは、やっぱり年齢のせいなんだろうか?
ところで、些細なことだが、途中で爽子の友達あやねが彼氏と別れて顔を腫らして学校に来るシーンがあるが、心理的な動きを丁寧に追う物語だからこそ、単に漫画的表現で顔を腫らすのは止めた方がよかった。その顔を見て、全く心配しない担任もどうかと思うし。
尾田栄一郎『ワンピース』(3)〜(4)
- 作者: 尾田栄一郎
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 1998/08/04
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バギーは、シャンクスの海賊見習い時代の同志、ウソップの父親はシャンクスの海賊船の船員、ということで、シャンクスとの繋がりが、グランドラインと併せて物語の推進力になっていくのかも。
本編とは無関係だが、コミックス版は、ぬりえコーナーや、工作コーナー、SBSという特別企画がついていて楽しい。ドクタースランプ単行本の「あの頃のワシ」とかを思い出す。最近のジャンプコミックスに、そういうおまけがつくのが普通かどうかは分からないが、尾田栄一郎は同世代だから感覚が似ているのかも。