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満点の星と1%の可能性〜美内すずえ『ガラスの仮面』18

ガラスの仮面 (第18巻) (白泉社文庫)

ガラスの仮面 (第18巻) (白泉社文庫)

ガラスの仮面では、重要なシーンは、あとから何度もリフレインされます。
この18巻では、前巻の、マヤと速水真澄が二人で見たプラネタリウムの「満点の星」のシーンが何度も登場します。しかも「プラネタリウムで星を見るのは、きみと一緒にいったあれが最後だ。」などとマヤに口走ってしまうなど、速水さんの恋心はここに来てスピードを増します。
一方で、マヤに「ジェーンをひとりにしないで!あたし、桜小路君が・・・スチュワートが必要なの! 必要なの!」と言われて浮足立つ桜小路君は、一人で盛り上がっているようで可哀想です。
また、速水真澄の(この時点では)お見合い相手である鷹宮詩織(の顔)が初登場しますが、この人もやはり、速水真澄の、マヤへの絶対的な想いを強調するだけの引き立て役で、実は舞ちゃんとあまり変わらない役回りです。


さて、「忘れられた荒野」の狼少女ジェーンの「野性」を掴むために山にこもるという、ガラスの仮面らしい展開もありつつ(これも繰り返される)「紅天女への1%の可能性」=全日本演劇協会賞を取ることを目指して、非常にテンポよく物語は展開して行きます。