- 作者: 美内すずえ
- 出版社/メーカー: 白泉社
- 発売日: 1994/06/01
- メディア: 文庫
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驚いたことに9巻では「白い眼」は出ません。(マヤの母親が盲目であることを表現するために、黒目を描かないままにしている部分を除く)
実際、8巻では、マヤが里見茂に恋をしていると報告を受けただけで「白い眼」になっている速水真澄も、二人がパーティ会場で付きあうことを公言したときは、手に持っていたグラスを割りはしましたが、眼はそのままでした。
そういう意味では、「白い眼」の本当の始まりは、この10巻からになります。
- マヤの失脚を耳にして「紅天女はあなたのものよ」と言う劇団員に激怒する亜弓さん
- 里美茂のマネージャーから「今後一切関わるな」と言われたマヤが弁解もせずに承知した件を聞いた速水さん
- 客席から、母の行方不明についてヤジを飛ばされ、「ガラスの仮面」が崩れ落ちるマヤ(しばらく続く)
- 乙部のりえの卑怯な行為を知った亜弓さん
乙部のりえが主演する『カーミラの肖像』で吸血鬼カーミラ役を演じた亜弓さんは、その他多くのシーンで「白い眼」を連発し、この頃からこの表情は『ガラスの仮面』サーガにおける最重要表現の位置を占めるようになったようです。
物語的に重要なシーンとして、速水真澄がついにマヤへの愛を(自分の中で)認め、風邪で寝ているマヤに対して、口移しで薬を飲ませるシーンがあります。速水真澄は自分が犠牲になっても、マヤの「生きがい」を取り戻すことを求める。そこが桜小路君との違いなのです。
さあ、亜弓さんの主演舞台で端役の代役をやることになったマヤ。復活はなるか?