Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

田島貴男ひとりソウルツアー感想(11/26(土)渋谷クアトロ初日)

セットリスト

  1. フリーライド
  2. フィエス
  3. ローラー・ブレイド・レース
  4. Body Fresher
  5. 月の裏で会いましょう
  6. 春のラブバラッド
  7. サーディンの缶詰め
  8. 髑髏
  9. プライマル
  10. ミッドナイトシャッフル
  11. バイク
  12. Masked
  13. ブロンコ
  14. The Rover
  15. Jumpin’ Jack Jive
  16. ボラーレ

(アンコール1)

  1. 接吻
  2. カミングスーン
  3. 今夜はブギーバック
  4. 好運なツアー

(アンコール2)

  1. R&R

(アンコール3)

  1. 夜をぶっとばせ

やはり、この日の衝撃は「今夜はブギ―バック」のカバーに尽きます。
今さら説明するまでもありませんが、アルバム『白熱』には、スチャダラパーと初めてコラボした「カミングスーン」という曲が収録されています。購入時(ライブ会場での先行発売)には、一人で歌っていた元曲「ディランとブレンダ」からの変化の方に注目し過ぎて、ブギ―バックには思いが至らず、アルバム発売時の売られ方を見て、ああそうだった!と思った記憶があります。



上の写真は、タワレコ新宿店のポップですが、やはりブギ―バックを好きだった客層に猛烈にアピールしていることが分かります。つまり「俺は渋谷系じゃねー」のオリジナル・ラブが、これまで巧みに避けてきた「渋谷系」文脈をど真ん中に突っ走る楽曲が「カミングスーン」だったのです。勿論、田島貴男本人は今回、インタビューの度に、アルバム『白熱』のイメージとして〈新しいオールディーズ〉という言葉*1を連発しており、「渋谷系」文脈については特に意識していないし、受け取る側のファンもほとんど意識していませんでした
しかし、オリジナル・ラブ×スチャダラパーといえば、やはり渋谷系、そしてブギ―バックが思い浮かぶのは、今考えれば当然な気がします。


クアトロの初日のMC(カミングスーンは楽曲の途中で一旦切って長いMCをするのが恒例)では、渋谷クアトロで、田島貴男スチャダラパーが一緒にやるのは二十数年ぶりという話が出てきました。何と、そのときは、スチャダラパーは、オリジナル・ラブの前座を務めたそうです。そんなMCのあとに田島貴男が歌いだした

ダンスフロアに華やかな光

は、自分のオリジナルラブ史上で一番驚いた瞬間でした。まさに鳥肌物でした。
オザケンとの歌唱イメージの違いもあり、非常にカバーされることの多いブギ―バックの中でも、かなり上位に食い込めると思います。*2これは即刻、音源化を希望します。以前も書いた「カミングスーン」のシングル化*3に向けて一歩前進した気がします。(笑)


さて、今回のカバーは、今年、小沢健二が久しぶりにライブを行い、田島貴男もそれを見に行っていることを考えれば、タイミングとしても十分納得が行くものでした。また、ブギ―バック自体も『モテキ』絡みで、フジファブリックにもカバーされ、森山未来にも歌われるという、非常にスポットライトの当たる一年でした。それらのカバーについては、オザケンが、公式に発言しており、これも興味深いものでした。

歌を歌う人は、必ず標的を持っています。
(略)
歌が矢だとすると、矢が投げられる先には、何かがある。あるいは、あるはず、という予感がある。
それは、どんな標的なんだろう?カバーされた曲の場合、投げられている矢自体は確かに、いつか僕が削って磨いた矢なのだけれど、その矢が僕には全く見えない標的に向かって、でも自信を持って、力と喜びをこめて、投げられている。
公式サイトひふみよ「矢」

さすがの名文!
この文章は、主にフジファブリックに向けて書かれたものとは言え、田島貴男の放った矢がどこに向かっていたのかを考えると、とても興味深いです。一度、本人が日記でも取り上げていましたが、田島貴男オザケン愛を感じるし、それ以上に、クアトロでブギ―バックをカバーすることに、今更ながら(一時期否定的に捉えていた)「渋谷系のオレ」も愛する感じが出ていて、ファンとしては感無量でした。

その他

今回のツアーは、久しぶりの全国ツアーでしたが、セットリストが各地で大幅に異なるという事態が生じており、個人的には「あの曲が聴きたかったのに」という無いものねだりが多数あります。(たとえば「二人のギター」「女を探せ」)が、歌や演奏自体は、これまでで一番力強く、安定感がありました。特に「バイク」と「髑髏」が最高でした。
毎度恒例のほぼ日刊イトイ新聞*4が、初めて(笑)ミュージシャン田島貴男を大々的にフィーチャーしており、今回のライブ動画が多数掲載されていますので、ライブに行くことが出来なかった方もそちらで楽しむことができます。
自分もまだ全部見切れてませんが、オススメです。


なお、今回も、ファンの方たちと楽しく語らうことが出来ました。同じ趣味を共有できる人たちとの話は、もはやライブとともにかけがえのない物となっています。ファンの人たちを見て、自分の進んできた道は間違いじゃなかったって思うことってありますね。今後もよろしくお願いします。

補足

渋谷初日のトピックとして忘れてならないのは、白熱蛍光ブレスレット(ルミカライトとかサイリュームと言われるものです)の件。
田島貴男自身も「今日は、なんか凄いね」「クリスマスみたいだね」という感じのコメントで喜びを見せた会場内の光の波。
これは、なんと個人の持ち出しで用意して下さった方*5がいて、成立したものなのです。自分は、遅れて会場入りしたため、受け取ることができませんでしたが、今回のライブで忘れられないポイントの一つです。感謝カンゲキ雨嵐*6です。
なお、個人的には、その色が「白熱色」であることに、気づいて欲しかったのですが、田島貴男は「青く光ってる」と言ってました。残念。

参考

カミングスーンという曲の情報量過多な感じも、まさにブギ―バックです。


「白熱色」については、こちらを参考にしてください。

*1:例えば、バウンスの記事

*2:正直に言えば、「なごり雪」のカバーは、その文脈も含め、イマイチその良さがよく分かりません。

*3:調べてみたら、2回も書いている…http://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20110930/OLShttp://d.hatena.ne.jp/rararapocari/20110910/COMINGSOON

*4:略して「ほぼにち」ですが、「ほぼひ」と略す方がいて驚きました。自分が尊敬するオリジナル・ラブファンの一人です。笑

*5:ツイッターでいつもお世話になっている@youcan3355さんです。当日、初めてお会いできました!

*6:最近のお気に入り曲です。嵐の歌。