Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞5/6

42年ぶりに国内すべての原発が停止となった。関連記事がやはり多い。

手探り続く安全対策/再稼働へ条件整備急務(1面 エネルギーを問う 第5部 原発ゼロの試練)

4月初めの「爆弾低気圧」によって、運転停止中の女川原発東通原発の燃料プールなどの冷却が一時停止する非常事態が発生したことを挙げ、運転停止中もリスクがあることについて以下のように結ぶ。

「再稼働するリスク」と「しないリスク」を比較検証しながら「安全度の高い使える原発」を確定していく。海に囲まれ、イタリアのように電力を輸入できない日本には現実的な選択肢が欠かせない。

脱原発」一辺倒が適切な選択肢ではないことを表明している文章だと思うが、自分も同意。原発事故のリスクは怖いが、稼働している・していないで、そのリスクがどの程度違うのかについて理解していない。「脱原発」には判断を下せない理由はそこにある。
自分は、原発事故が怖いからこそ、原発産業を潰してはならないと思う。なるべく安全に稼働を続けながら、廃炉なりの道を探るのが合理的なのではないか。廃炉までの長い道のりを考え、停止中の原発のリスクを考えれば、原発なくなったバンザーイ!とはならないはず。コスト面から原発を押すのは、それも何か違うように思うが、原発ゼロの現状は、変化が極端に過ぎると思う。

原子力委、処理費用巡り迷走/転機の核燃料サイクル

迷走とは何かといえば、1週間の間に出した試算の結論が正反対だったから。

原発の利用を前提にすると、再処理をやめて燃料をすべて地中に埋める「全量直接処分」のコストは割高で、「再処理と直接処分の組み合わせ(併存)」が比較的安いとの結果になった。

という19日試算に対しての委員からの異議を受けての27日の試算は・・・。、

日本の総発電量に占める原発の比率が35%の場合、燃料全てを再処理すると18・0兆円、全てを地中に埋めて捨てる「全量直接処分」は13・3兆?14・1兆円となるなど、国が推進する核燃料サイクルの前提となる再処理の方が高コストという結果になった。

これは本当に「迷走」。昨日、NHK-BSでドイツの原発停止後20年が経ったルブミンを追ったドキュメント番組を見たが、使用済み燃料の問題は、国の方針がブレると収拾がつかなくなる。ドイツでは最終処分場の計画が白紙になり、中間貯蔵施設が中間にならないのではないかと危惧する住民の思惑と反対に、ルブミンの中間貯蔵施設に他施設の廃棄物を受け入れることになった。核燃料サイクルについても、サイクル政策ありきで存在する六ヶ所村の再処理工場が宙に浮く。一時しのぎの数字合わせではなく、相当に慎重な議論が必要な部分だと思う。(誰も信じない「100年安心」の年金がまかり通っているので、日本の政治を信用できないが。)

減る農家と市民農園ブーム/趣味からプロ 道開く時(3面 けいざい解読)

農林水産省によると

  • 市民農園は昨年3月末で3811カ所にある。
  • 利用者の貸し出し区画数は18万だが、ほとんどの農園はフル稼働の状態。
  • 10年で5割増えた。(人数?)

一方で

  • 昨年の農業就業人口は260万人で10年前と比べて3割減
  • 平均年齢は66歳
  • 新規就農者は54,600人で06年よりも3割強減

ということで、農業再生のカギは、どれだけ人材を外から呼び込めるか。そのルートのひとつがアマチュア農家の取り込み。つまり「市民農園の趣味が高じてプロ」という人数を増やすべきという内容で、市民農園を利用する人の数が100万人を超すドイツの例も挙げられている
かなり納得ができる主張。10年後に平均年齢76歳ということはあり得ないのだから、農業再生については、時間がない。

読書欄

紙の月

紙の月

池上冬樹が紹介する『紙の月』。ここでは、直木賞受賞犯罪を積極的に扱うようになった角田光代の近年の作品についても紹介されており、合わせて読みたい。

  • 『八日目の蝉』:幼児誘拐
  • 『三面記事小説』:実在の事件をテーマ
  • 『森に眠る魚』:お受験殺人
  • 『おやすみ、こわい夢を見ないように』:悪意と憎悪をテーマにした短編集
  • 『紙の月』:公金横領の逃亡譚

あとはここら辺が気になった。

不登校児 再生の島

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論語 - 真意を読む (中公新書)

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水と人類の1万年史

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