- 作者: リンドウォード,Lynd Ward
- 出版社/メーカー: 国書刊行会
- 発売日: 2002/10/01
- メディア: 単行本
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表紙の「木版画による小説」はその通りで、見開きの2ページの右側に木版画が一つという構成で木版画120枚が延々と続き、本当に文字がない、だけではなく、ページ番号すらないという大変型破りな本です。
さて、何度か読めば分かるだろと高を括っていましたが、最後の部分が何度読んでもわかりません。「これは傑作だった。とにかく読んでほしい」というシンプルなコメントと共に紹介しても良かったのですが、この文章を書くにあたって以下のように考えました。
確かに、このまま検索を駆使すれば、内容はつかめるのでしょう。しかし、分かったあとでは、どうして頭を捻っていたのかが思い出せなくなるのはよくあることで、今のこの状態=分からない状態は貴重だともいえます。
そこで、あらすじをそのまま書くことにしました。(人名は仮定したものです)
(感想は、話が分からないので、書けない。笑)
あとで、分かるようになった部分や感想は追記するか、別エントリを立てることにします。
第一章
- 奴隷商人の父親(ハヤト)はアフリカから太鼓を持ち帰る。
- 家では、美しい妻と小さな子どもが待っている。
- 太鼓と刀は部屋に飾る。
- 外出しても、指さして羨ましがられるほどの幸せな夫婦*1
第二章
- 息子(サトシ)は外で遊びたいが、ハヤトに止められている。
- ある日、家の中でアフリカから持ち帰った太鼓で遊んでいて、こっぴどく叱られる。
- とにかく本を読めと薦められ、読み耽るサトシ。
- ハヤトは、再び仕事で刀を携え船に乗り、その後、帰ってくることは無かった。
第三章
- 年齢を重ね、周りはみな働きに出ているのに、母の庇護のもと学問に熱中するサトシ。
- 昆虫に興味を持ち、論文執筆に明け暮れる。
- 週末は母親と一緒に教会へ礼拝に行く。
- 蛾についての研究が実り、サトシの論文は賞を獲得した。しかし、母親の機嫌は悪い。
- 【母親自身が信じている宗教的なものと対立する場所に科学的なものがあるから?】
- そして今日もサトシは、労働する同世代を尻目に、読書に精を出すのだった。
- 【この章でサトシが読書に熱中している絵では、必ず、合わせて肉体的労働者が描かれている】
第四章
第五章
- 今度は宇宙に目覚めたサトシ。
- しかし、論文を受け取った三賢者?はサトシに冷たい眼差し。
- ガッカリするサトシに、結婚相手紹介のいい知らせが。
- そして無事に結婚。
第六章
- 時が過ぎ、家族は増えて姉妹二人の4人で暮らす幸せな日々。
- …に見えるが、妻は外に出ようと誘うも、サトシは相変わらず読書。
- 【ここでのシルクハットはサトシ以外の享楽的な暮らしを送る人たちが身に付けていたもの。社交の象徴?】
- 愛想を尽かした妻は、社交のできるバイオリニストに近づく。
- その一方で、サトシへの恨みは募り、妻はバイオリニストと駆け落ち。
- それを知ったサトシは、謎の女(狛犬似)に指令を出す。
- 途中経過はよく分からないながらも突然、「妻」は亡くなってしまう。
第七章
- 残されたサトシと姉妹二人。(それ以外に婆やがいる)
- 姉子(あねこ)は本を読み、運命の恋人に会いたいと願う。
- そんなとき橋の上で巡り合った社会運動家の彼。
- しかし、サトシは、そのような社会運動家を認めない。
- 策略を立てて、殺人の罪をなすりつけ、彼は留置場送りに。
- 落ち込む姉子をスフィンクスの絵の前で慰めるサトシ。
- 【ここで天秤の絵=法律の本を見ているのが誰なのかが分からない。サトシには見えない】
- サトシは法律を勉強し、普段は身に付けないシルクハットをかぶり、法廷の裁判官三人を説得する。
- 【ここは死刑にしてほしいという説得なのだろうが、イマイチ理解出来ていない】
- 珍しくシルクハット連中から称賛の声を浴びるが無視。
- 死刑は執行され、姉子も身を投げる。
第八章
- 表情が妖怪じみてきたサトシ。
- そんなサトシにしつこく書物を薦められて妹子(いもこ)はうんざり。
- 書を捨てて森に出る妹子。
- それを見たキザ男は、ことば巧みに妹子を騙して屋敷に連れて行く。
- いわゆる「遊び」だったことに気付いた妹子は激怒・憔悴。
第九章
- 妹子からのSOSを電波で受け取ったサトシは、彼女を捜しに行く。
- 場所を聞くと、売春宿を案内され、キザ男に直談判。
- しかし「ここにはいない」と花飾りを突き返され、劇場に向かう。
- 【このあとの部分が全く分からない】
- 【女(狛犬似)と腕を組み、太鼓を抱くのは、太鼓に取り込まれたことを意味する?】
*1:悪い噂を言われているようにも見える