Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

伊豆の海とキラキラ感に浸りたい〜天野こずえ『あまんちゅ!』

28日は、よう太の2学期始業式だった。最近は8月末を待たずに新学期が始まるようで、ついに夏休みも終わってしまった。そこで、少し遡って夏休みの思い出と漫画を紹介。


旅と読書というのは相性がいい。これは本当だと思う。*1
夏休みに家族で訪れた伊東の旅館ロビーで、天野こずえあまんちゅ!』に出会ったことは、もはや今回の旅の必然とすら言えるほど、忘れられない読書体験となった。

あまんちゅ!(1) (BLADE COMICS)

あまんちゅ!(1) (BLADE COMICS)


この漫画の魅力を一言でいえばキラキラ感。
まず、光の表現が非常にうまい。日差しを受けて輝く木々や街並み、そして水面の反射が、とても印象的な絵柄だ。自分自身、何度も訪れて感じている夏の伊豆の空と海の魅力を十二分に表現できていると思う。冬に読んでも夏に戻れるくらいのパワーを持った絵だと思う。

そして高校入学〜ダイビング部への仮入部、そして新しい友だち、新しい先生という、人生の中でも一番希望に満ち*2、キラキラしている舞台設定が、絵柄ととても合っている。話が始まる前段階で、既にリングにタオルを投げ入れたいほど、読んでいてキラキラ感にやられてしまった。ダイビング部を舞台にしてはいるが、重きを置かれているのは、ダイビングというスポーツよりも新しいことが始まる期待感=キラキラ感だと思う。


ダイビング部の顧問と二年生2人を含む主要キャラクターは、言動に漫画的なところが目立ち、架空の場所が舞台であれば、フワフワした漫画になりかねなかったが、伊豆という場所のリアルさ*3で上手くバランスが取れていると感じた。登場人物は実在しなくても、エピソードの部分部分は実際に起きている話ではないかと思ってしまうほどで、それもまた読者をドキドキさせてくれる。

さて、まだ2巻途中までしか読んでいないものの、個人的には傑作間違いなしという印象を持ってしまったこの漫画。目下の悩みは、続きをどこで読むべきか、ということです。

伊東の思い出写真

ちょうど伊東温泉街から海岸へ流れ込む松川で灯篭流しがあって夜も楽しめた。


灯篭流しをした松川を下って海へ


伊東オレンジビーチは、朝から大賑わい。海は結構温かかった。


いろいろなところで、津波対策が垣間見える。よう太には、津波てんでんこの話をした。


商店街も賑わっていた。伊東は三浦按針ゆかりの地ということで、あちこちにその名前が。

*1:これについては、日垣隆も『つながる読書術』で一章割いていたように思う。ただ、ヘミングウェイの別荘で『老人と海』を…とか次元が違う話が多かったですが。

*2:当社比(笑)

*3:あまんちゅ!の背景に使われている街並みなどは伊東を含む伊豆の各地のようで、検索すると、聖地巡礼している人たちの報告が多数見つかります。