Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

統計分析を勉強したい「文系のための」2冊

重回帰分析について知りたいことがあり、図書館を訪れると、数学の棚に並ぶ「文系のための」「文系でもわかる」という枕詞の数々。どうも、真の理系は骨太の一冊で事足りるが、自分のようななんちゃって理系含むその他大勢は、少しでもわかりやすい説明を望んで複数の本に手を出す。そのニーズが分量として棚に表れているようだ。
純粋に内容を見て分かりやすそうなものを選んだつもりだったが、結局どちらもしっかりと“枕詞”がついているものを選んでしまった自分は、本当にいろいろと学びなおしたい気がしています。


文系でもわかる統計分析 (朝日おとなの学びなおし 社会学)

文系でもわかる統計分析 (朝日おとなの学びなおし 社会学)

『朝日おとなの学びなおし』は、基本的には社会学でアンケート処理をするときに特化した統計分析の解説本だが、対談形式になっていることで、非常に読みやすい本になっている。
特に、あとがきでも触れられているが「チャラくてナウい古市君」の「ボケ役」のハマり方は凄く、賢いんだけど統計学的知識が乏しい生徒になりきっているので、読者は安心して議論についていくことができる。
自分は無縁だが、統計ソフトSPSSについての使い方についても詳しいので、使う人にはオススメ出来る本。
こんなのばっかりです↓

須藤「SPSSのロジスティック回帰分析にはVIFを出力させる機能がついていないんです。でも、大丈夫。多重共線性を診断する裏技があります」
古市「画面上で↑↑↓↓とかの秘密のコマンドを打ち込むとか?」
須藤「テレビゲームの裏技じゃないんですから(笑)」


多田実『文系のための理系的問題解決』の方は、エクセルやVBAについても詳しく、自分にとっては、こちらの方が実践的。メインのアルゴリズムのところは結局途中までしか読めずに返してしまったが、これもweb時代のくだけた文章で非常に読みやすい。
例えば、例題の題材も、多くをガンバ大阪阪神タイガース関連から引っ張ってきており、脚注でも著者の趣味性がうかがわれるような主観コメントが多数あり、親しみが感じられた。


今回、多重共線性の問題について具体例を示して説明してくれる参考書を探していたのだが、二つの本とも、分かりやすい言葉で説明がしてあり、ある程度目的を果たすことが出来た。インターネットでも、例えばWikipediaにも詳しい説明があるのだが、一冊の本で関連する統計手法などと並べられて説明されていると心強い。
それにしても図書館の数学棚は、面白そうな本が溢れているので、趣味と実益を兼ねて少しずつ読んでいきたい。