Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

ダンゴムシの足は何本?〜松岡達英『だんごむしそらをとぶ』他だんごむし三部作

だんごむし そらを とぶ

だんごむし そらを とぶ

だんごむし うみへ いく

だんごむし うみへ いく

だんごむしと恐竜のレプトぼうや

だんごむしと恐竜のレプトぼうや

空の世界に憧れただんごむしが、自作の翼(蜘蛛の犠牲になったトンボの羽)を得て大空を舞う『だんごむしそらをとぶ』。読み聞かせてみると、夏ちゃんも大喜び。その発想と絵柄に惚れ込んだ自分は、すぐにシリーズのほかの2作も借りてきた。
このシリーズの特徴は、

  • 大量に登場する虫や植物などの自然描写にデフォルメがなく、図鑑的であること。(足の本数などで誤魔化しが無い。だんごむしの足が14本というのは、この絵本で知りました…)
  • ただし、色使いは全体のバランスを考えた着色がされており、結果的に絵全体がカラフルで見栄えがすること。
  • そしてその中で主人公のだんごむしを中心に、虫たちが作った道具で異世界に行くこと。

3作を通して読んでみると、一番最初に読んだ『そらをとぶ』は、かなり素朴に「お話」として作られており、その後の2作は、1作目以上に教育的な意図を持って世界を広げる方向に話が展開している。『うみへいく』では、前作の「陸」「空」の次ということで残った「海」を目指し、『レプトぼうや』では、時代を超えて恐竜相手に渡り合う。後2作は出てくる生き物は表紙の裏に名前があるため、勉強しやすいところもいい。
いずれも、食べて食べられてという自然の摂理を外さず、食べられそうになったり、他の虫が犠牲になったりするシーンがあるのがリアルさを増している。また、『うみへいく』のフナムシうじゃうじゃシーンなど、気持ち悪い描写もちゃんとあって、そこも素敵なところ。


近作は、あまがえる先生シリーズという別シリーズみたいだが、下のだんご博士のようにボリュームのある本(見開きの左側に日記、右側に絵という絵日記形式の自然観察記)を見ると、素数ゼミの石森愛彦さんみたいに、一般書に侵食するような活躍も期待してしまう。

だんご博士の観察記

だんご博士の観察記