Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞10/28(日)

社説 アニメ産業を盛り上げよう

リーマン・ショックの影響などで停滞が続いた日本のアニメ産業が活気を取り戻してきた。新作の制作が増えたほか、海外での現地企業との合作、ネット配信の本格化など攻めの動きが目立つ。この勢いに弾みをつけ、日本の好感度向上にもつなげていきたい。

社説では活気を取り戻したアニメ産業に対して、東京都が漫画流通の規制を強めていること、また「東京国際アニメフェア」(都)、「東京国際アニメ祭」(経産省)など、趣旨が重なるイベントが乱立していることを挙げ、国のサポート/規制の仕方の問題点を衝く。
このうち、アニメ産業が活気を取り戻しているという現状分析は、春秋で渋谷のミニシアターが最盛期から半減している理由の一つを「ミニシアターを支えた若い層から難しい作品を背伸びして見る気質が消えた」とする分析と、(昔の感覚では)矛盾するように思ってしまう。自分が高校生〜大学生の頃は、アニメも映画も、人が見ていないものを見て普通から抜け出したいという気持ちが共通していたように思ってしまうから。アニメ産業が活気を取り戻しているのは、消費者側の行動が変化して好きなアニメには膨大なお金を突っ込めるようなかたちになっているからなのかな。

(数字で読む政治)209回 上半期の空自の緊急発進 対中国機、7〜9月に急増

「半期統計を始めた03年度以降で最も多かった」とする航空自衛隊機の緊急発進(スクランブル)の回数の内訳は、対中国が7月以降急増。ただし昨年と比べると、中国機へのスクランブル回数は減っており、ロシアへの回数は経年的に増えたまま横ばい。回数もロシアへのものが一番多い。ロシア機は、尖閣竹島上空だけでなく、オスプレイの情報収集にも来ているという。

ロシアから吹く「暖風」(10面・日曜に考える)

その一方で、ロシアは、日ロの関係改善につなげるような動きが出ている。

尖閣諸島竹島の領有権をめぐって中国、韓国が日本への攻勢を強めるなか、北方領土問題を抱えるロシアがこれに乗じて中韓と組み、対日包囲網を形成することはないのか。

つまり、中間に同調して「反日」に動く気配はなく、中国依存への警戒感から日本への期待が高まっているという。「極東の深刻な人口減に歯止めをかけ、地域を活性化していくために、外資誘致による雇用創出が急務」、そのとき、相手としたいのは日本ということだ。
記事でもまとめられているように、日ロで良好な関係を築いておき、北方領土交渉への環境づくり+中ロの反日同盟を防ぐ予防線+経済的なメリットを得られるといい。
ただ、ロシアのことは、中国以上によく知らないかもしれない。現代史だけでなく文化的なこともわからず、プーチンのイメージは強烈だが、だからなのか、ロッキーに出てきたドラゴ(ソ連ですが)のイメージが抜けない。何か一冊読んでおきたい。

がん細胞、中から壊せ ホウ素+中性子、実用化射程

がん細胞をピンポイントで攻撃する最先端のがん治療法「ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)」の実用化が間近に迫ってきた。これまで研究の域を出なかったが、病院に導入できる加速器と呼ぶ治療用の装置が相次ぎ開発されたからだ。従来の放射線療法と並び、がんと闘う新たな治療法に注目が集まっている。

BNCTの特徴は

  • ホウ素薬剤を注射し、がん細胞だけに取り込ませて、中性子をがん患部に当てる
  • 正常細胞への影響は、エックス線や陽子線、重粒子線を使う放射線療法よりも少ない
  • 今のところ体表面から8?程度までしか届かないため、体の深いところにできたがんには効かない
  • 日本では約600人が治療を受けており世界をリードしている

症例数が少なく、効果を検証するには大規模な治験が必要とのことだが、がん細胞だけを狙い撃ちできる技術ということで、今後に期待。
⇒こんなニュースも:炭素繊維でがん死滅 京大グループ、活性酸素発生させ

読書欄

無罪

無罪

書評欄のトップを、エンタメ小説が飾るとかなり注目して見てしまう。『推定無罪』から二十余年。作品内世界でも同様の時間が流れ、因縁の対決がまた始まる。前作は映画で見て、かなり満足をしたはずだが、いつもの通り内容は全く思い出せない。翻訳家田口俊樹さんによる書評は、かなり読みたいと思わせるものなので、読んでみたいなあ。


レッドアローとスターハウス―もうひとつの戦後思想史

レッドアローとスターハウス―もうひとつの戦後思想史

西武沿線を舞台にした団地本?数が増え続ける団地本もそろそろ一冊は読んでおきたい。


米国の問題点として、グローバル化とIT革命への順応の遅れ、うなぎ登りの財政赤字、エネルギー消費の増加への対応の遅れを挙げ、これらの問題を克服するために、「戦時下」と同様の取り組みが必要だと説く。具体的な事例を出しながら、二大政党の行き詰まりを打開するため、第三党の結成の擁立を唱えるなど、課題への処方箋も面白いものになっているようだ。まず、『貧困大国アメリカ』を読んでからか。