使用済み核燃料、全量再処理を継続 経産省 「直接処分」見直し(1面)
2012年度中に改定の期限を迎える原子力発電所の使用済み核燃料の最終処分計画について、経済産業省は全量再処理の政策を続ける方針だ。再処理せずに地中に直接埋める「直接処分」を次期計画に盛り込まない。前民主党政権は原発への依存度を下げる中で「直接処分の研究に着手する」方針を示していたが、技術の確立や事業性が疑わしいことなどを理由に長期計画に明記しない。
つまり、自民党になって核燃料サイクル政策が現状維持に戻った、ということになる。3面の解説にもあるが、六ヶ所村の再処理工場は10月の完成を予定しているが「不具合続きで19回にわたり完成時期を延期」というのは改めてみると凄い。民主党政権が決めていた「直接処分の研究に着手する」という方向で間違っていない(消極的だが)と思う。
内田樹『呪いの時代』では、こういった官僚の先送り意識について年金問題を例に挙げて、自分の後任の優秀な人材が解決してくれる、もしくは、仕事が出来るようになった未来の「ほんとうの自分」が成し遂げるとすることで、自分が事に当たることを避ける癖を指摘していたが、まさにその通り。
東京電力福島第一原発事故で放出された高濃度の放射性物質を含む指定廃棄物の最終処分場についても候補地選定経緯に問題があったとして再協議に入ることが報道されていたが、処分場選定の問題は確かに大きい。しかし、誰かが主張していたが、それこそ再処理をしないと決めて再処理施設の敷地に最終処分を行うなどの方法が必要になってくるのではないか。
春秋
首都の中心にあるマンモス大学が、大地震に襲われたらどうなるだろう。若手芥川賞作家、綿矢りささんの最新作「大地のゲーム」は、未来の日本らしき国を舞台にした小説だ。
どれほど震災を意識した作品なのかは分からないが気になる作品。
なお、こういった作品としては、恩田陸『Q&A』がモヤモヤした気持ち悪さを持っていて印象的だった。
隕石落下、どう避ける?(17面・サイエンス)
ロシア南部チェリャビンスク州に落下した隕石(いんせき)は負傷者1200人を超える被害を出した。隕石の正体は直径17メートル、重さ1万トンに及ぶ小惑星とみられるが、なお謎が残る。このサイズの小惑星が地球に落ちるのはおよそ100年に一度。衝突を回避したり、被害を減らしたりする手立てはあるのか。
結論としては
- 直径40m以上の小惑星なら発見の可能性はある。(2012DA14は45m、ロシアに落ちたのは15〜20m)
- 発見できても1908年のツングースカ(彗星)以上のレベルの小惑星(50m前後)については、防ぐ手立てなし
- 数百m以上の小惑星を確実に見つけ、地球衝突の10〜20年前に無人の探査機をぶつけて軌道をそらすという方法が現実的。(100m級は数千〜数万年に一度)
これを知ると、やはり、『終末のフール』みたいな事態が生じる可能性もあるということのようだ。故事通り「杞憂」(中国の杞の国の人が、天地が崩れて落ちるのを憂えたことから)に終わればいいが。
読書
- 作者: 竹西寛子
- 出版社/メーカー: 岩波書店
- 発売日: 2012/11/28
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
- 作者: 篠田節子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2013/01/04
- メディア: 単行本
- クリック: 2回
- この商品を含むブログ (10件) を見る
- 作者: リンダポルマン,Linda Polman,大平剛
- 出版社/メーカー: 東洋経済新報社
- 発売日: 2012/12/01
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る