Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

二階堂!タカハシ!NHK杯!〜羽海野チカ『3月のライオン』(2)

3月のライオン 2 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 2 (ヤングアニマルコミックス)

将棋界の歴史の中で
中学生でプロになった人間は
今までたったの4人
そしてその4人は
その後全て「名人」になるか「タイトル」を取っている
けれどその5人目である僕は…
僕は…

2巻になって、やっと漫画の中でも主人公・桐山零がかなり能力の高い棋士だということを説明し始める。
1巻初回の最後のコマで「C級1組五段17歳 職業プロ棋士」と書かれるが、それがどれほど凄いことなのかはここまでほとんど説明がない。
ここで挙げられている中学生でプロになった4人はWipipediaから引用すると以下の通り。

中学生で棋士に昇格した者を、俗に「中学生棋士」と呼ぶ。第二次大戦後、次の4名が中学生棋士となっている。

谷川のみが中学2年でプロデビューしており、他は中学3年である。ただし、最年少デビューは加藤であり、谷川よりも1か月半若くプロになっている(加藤は1月の早生れ、谷川は4月生れであるため)。

いずれも自分でも名前を知る超有名人ばかりで、谷川以下3名は現在もA級の棋士だ。
というかA級〜C級と順位戦についての説明も、コミックスでエピソード間1ページずつの「先崎学のライオン将棋コラム」の第4回目になって初めて出てくる。零君はプロ入り後、すんなりとC級1組に昇級し、現在そこで停滞気味という状況。ここまで説明されて、やっと主人公の立ち位置が何となくわかってくるという、将棋漫画なのに、将棋についてはトコトン不親切な漫画。
王道の少年漫画なら、プロ棋士になるまでの苦労か、中学生棋士になってからC級1組昇級までの強い時期に焦点を当てるのにそこはバッサリカットして、いきなりスランプ状態から始まるというのは、只事じゃないと改めて思う。


2巻で好きなエピソードは、プロ野球選手を目指す中学生タカハシ君(ひなたの同級生)と気持ちが通じるシーン、そしてタカハシ君が持ってきたビデオで、二階堂がテレビ越しに桐山を激励するシーン。
香子が、対戦相手に関する嫌な情報を持ってきて、心理的なストレスを与える後半2話はあまり好きじゃない…。


さて、上でも名前を出した先崎学八段は羽生世代で、村山聖とも仲が良かったというエピソードが『聖の青春』にも出てくる。
主な戦績としてはコラム(2)でも紹介しているNHK杯で1990年(23年前!)。
本編では二階堂が解説を務めたMHK杯として出てくるが、ちょうど3/10(日)は、現在のタイトルホルダー羽生三冠が登場する準決勝で、解説は先崎学八段。羽生が勝つと決勝戦は昨年同様の羽生×渡辺対決となる。
これは見なくては…。


さらに、電王戦直前コラボ企画として『3月のライオン』特番が企画されているとか…これも楽しみだ。