発電、石炭火力を推進(1面)
政府は石炭火力発電の新増設の推進にかじを切る。原発事故後の天然ガスの輸入急増が電気料金の上昇を招いており、安い石炭を利用して国民負担を抑える。環境影響評価(アセスメント)の手法を見直し、二酸化炭素(CO2)の排出量に明確な基準を設けるなどして新増設をしやすくする。石炭火力の新増設に慎重だった環境省も姿勢を転換し、環境負荷を小さくする技術開発に力を入れる。
ポイントは以下の通り。
- LNG輸入急増による貿易赤字の反省からLNG火力への集中(震災後の発電の7割)を避ける
- 再稼働の見通しが立たない原子力発電に代わって常時稼働するペース電源として用いる
- CO2については、世界最高水準のJパワー磯子石炭火力発電所を国内標準とし、CSSの実用化も同時に進める
石炭は、ウランよりも枯渇が遠い燃料なはずで、持続可能性という点でも良いのではないかと思った。ただ、CSS(CO2を地下に埋める)は、いまいち納得が行かないし、日本全体でのCO2排出量の抑制については、十分考えておくべきだろう。
サンゴが守る経済水域(17面・サイエンス)
日本は領海と排他的経済水域(EEZ)を合わせた広さで世界6位を誇る。海洋大国ニッポンの権益を守っているのが、サンゴでできた極小の島だ。最近の研究でサンゴの種類は少なく、周辺のサンゴ礁と大きく違う独特の群集と分かってきた。台風や波の浸食、地球温暖化に伴う海面上昇で島が水没すれば、周辺海域に眠る海底資源や豊かな漁場を失う。EEZの命運はサンゴの生態系を守れるかどうかにかかっている。
沖ノ鳥島の2つの小島がなくなると、日本の国土より広い約42万km2のEEZを失うとされるため、国は2島を1987年からドーナツ状の護岸を設けて侵食から守っている。
しかし、この島はサンゴでできており、サンゴの堆積が減れば、また温暖化で海面が上昇すれば島は無くなってしまう。
また、中国は「沖ノ鳥島は島では無く岩。日本のEEZは設定できない」と主張。
勿論コンクリートで造った陸地は島とは認められないため、島の生態系保全等が重要とのこと。
無くなってしまったときのことを考えると結構怖い問題。
読書欄
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世の「源氏本」にありがちな紫式部の神格化がなく、一人の作家として紫式部に自然に相対し、小説作法を分析しているという。
- 作者: フランクブレイディー,Frank Brady,佐藤耕士
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書店で見てみると、結構ボリュームのある本だったが、内容は面白そう。しかも羽生善治が解説だった。この評者が大崎善生であるところも惹かれる。
- 作者: 三崎亜記
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「巻末にある架空の参考文献」という部分も気になる。
- 作者: エリック・ブリニョルフソン,アンドリュー・マカフィー,村井章子
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新井紀子『コンピュータが仕事を奪う』と同主旨の本のようだ。これは要チェック。