Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

突然の超展開におろおろ〜羽海野チカ『3月のライオン』(5)

3月のライオン 5 (ヤングアニマルコミックス)

3月のライオン 5 (ヤングアニマルコミックス)

3/23に行われた第2回電王戦初戦で、阿部光瑠四段が、習甦(将棋ソフト)に勝利しました!
パチパチパチパチ。

将棋の現役のプロ棋士5人がコンピューターと対戦する「電王戦」が東京で始まり、初日の23日は8時間半の熱戦の末に現役プロ棋士が勝ち、コンピューターとの対戦での無敗を守りました。

とてもとても全てを追うことはできませんでしたが、午後の習甦側の仕掛けるシーンと、対局後の記者会見の一部等をニコ生で見ていました。
解説の阿久津主税七段、そして矢内理絵子女流四段、二人とも、非常にスマートな語り口で、解説も分かりやすく場を盛り上げてくれました。
また、昼休みの詰め将棋(5手詰)も面白かったし、用事が全くなければ、朝から晩までPCの前で釘づけだった恐れもあり、そういう意味では怖さを感じました。
今回勝利した阿部光瑠四段は、ちょうど『3月のライオン』の主人公・桐山零とほぼ同い年ですが、初戦直前のPVで見ると、趣味(ボカロやアニメの話を好きそうに語っています)・境遇・雰囲気すべてが人それぞれ違うのだなあと当たり前のことに改めて気づかされます。(阿部四段の方が好きです笑)


なお、ニコ生の特設HPで来週の佐藤慎一四段のPVも公開になりましたが、これまたカッコいい内容です。
「将棋界の逆境アーティスト」というニックネームで、ギターを持って歌う(尾崎豊僕が僕であるために』?)さまもいいですが、何より、子どもたちに囲まれて将棋を教える姿が神々しい。PVの前に、同学年にあたる阿久津七段の思い出話(小学校のときに、プロを目指す佐藤四段に影響を受けて、自分も奨励会に入ったという話)もあり、次代を担う子どもたちのキラキラした目にもやられました。
対するponanzaは、一癖も二癖もある相手。習甦とは異なり、本番前にソフトの貸し出しを断るほど勝利にこだわる山本一成さんは東京大学の方で、GPS将棋(電王戦のコンピュータ側の大将)の金子知適さんらと共同で研究することもある模様。そういう意味では、これに勝って大将戦に臨みたいところです。


さて、電王戦開幕直前には、コラボレートした番組がニコ生で放送されるほど縁が深い『三月のライオン』も、5巻に突入。(現在8巻まで出ていますが…)
43話の天童での人間将棋の様子は、「坊」こと二階堂の甲冑姿というサービスショットを挟みつつ、前巻の流れを引きずって島田八段の話題。
それ以外は、以下のように、色々な話がうまくブレンドされ、全体的に明るい雰囲気の巻となる。ラスト3話を除いては…。

  • 三月町名物の新製品開発(44、50)
  • 新人王戦についての二階堂の妄想(48、50)
  • 放課後将棋科学部の結成の経緯と活動の様子(45〜47)
  • 第69期名人戦:宗谷VS隈倉(46〜49)
  • 後藤と香子の話(48〜49)


この明るい流れの中で唐突に始まる第51話(てんとう虫の木)では、突然、零の口から、学校で相手にされなかったり、幸田の家でも嫌がらせを受けたりした辛い思い出が語られる。
そして51話最後で学校から帰ったひなちゃんの顔には涙が…。突如として、いつも元気いっぱいで明るいひなちゃんが学校で受けている「いじめ」の話題が始まる。
突然の展開にこちらがおろおろしてしまうのでした。そういえば、スゴ本でいじめ問題のときに『3月のライオン』が取り挙げられていたことを思い出した。今改めて読んでみようと思ったら6巻以降の話にも触れているようで、とりあえず放置…。
それにしても、この5巻は、将棋方面も含めてかなり内容の濃い巻。素晴らしい。

先崎学のライオン将棋コラム

今回のコラムは以下の通り。

  1. 人間将棋はホントにあります!!将棋の街・天童
  2. 対局中の脳は大食漢!?お菓子とご飯は将来のお供
  3. ライバル同士が火花を散らす・・・・・・宿命の対決!
  4. 棋士は草食系?それとも肉食系?

対局中の食事については、3/23の阿部光瑠四段の電王戦でも昼休みに何を食べたのかということが話題になっていた。
正答は「うな重松+まぐろ丼」ということで、かなりのボリュームにニコ生のコメントも湧いていたが、記者会見の話では、どうも他の棋士の真似をしてのゲン担ぎのようだった。
この回のコラムで挙げられている加藤一二三9段も面白い方とのことで、いつもいつも気になってます。