Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

「わくわく」を大事に〜藤裕美『めがねを買いに』

めがねを買いに

めがねを買いに

そういえば、今のめがねは10年くらいかけているかもしれない。
一時期、それを気にして気軽に買った方がいいかもと、エキナカJINSとかで買ってきたこともあったが、そちらはあまりかけなくなってしまった。
安いものを買ったから、というよりは時間をかけて選ばなかったのがいけなかったのかもしれない。
「思い入れ」や「わくわく」が乏しいままに手に入れてしまったので愛着もわかなかった。


この本を読んで改めて「わくわく」の大切さに気がついた。
本に出ているめがねはオシャレなめがねで、モデルさんもカッコいいので、カタログ的には使いにくい本だと思う。しかし、めがねを買う「わくわく」に満ちている。
著者の藤裕美さんは、眼鏡屋店長だったが、眼鏡が好きすぎて、ドイツで眼鏡を作る仕事を1年やって、戻ってきてから「眼鏡スタイリスト」という、日本にそんなことをして食っている人は誰もいない職業に就いたバリバリの眼鏡人。この本を読んで「眼鏡屋に行ってみようかな」と多くの人に思ってもらいたいと願う彼女の夢は半分以上かなっていると思う。
この本では、めがねの選び方について具体的な方法や、視点のヒントが載っていてとても参考になるが、めがねも結局、人だということを言っている。仕事柄、眼鏡屋びいきになっているところもあるが、商品や店舗ではなく、店員にもっと頼って眼鏡を選んでほしいというのがメッセージ。だからこそ、技術力があり、親身になって選んでくれる店員のいる眼鏡屋が奨められているが、確かにそうだと思う。
想定外に、人に温かい本でした。


なお、プレゼンの内容を聞いていたわけではないけれど、花岡猫子さんのビブリオバトルでの紹介本ということで知りました。"人を通じて本を知る。本を通じて人を知る。"というビブリオバトルのキャッチフレーズではないけど、人を通じてめがねに出会う本ですね。