- 作者: 大村宏樹,副島博志,高橋陽一
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2002/05/24
- メディア: 単行本
- 購入: 6人 クリック: 160回
- この商品を含むブログ (14件) を見る
シリーズ化されているものに、ドラえもん、名探偵コナン、ちびまるこちゃん、クレヨンしんちゃん、両さんがあり、数えられないくらい多数の本が出ているだけでなく、キャラクター同士で、同じジャンルの本が競合している状況にある。例えば
ドラえもんの社会科おもしろ攻略 地図がよくわかる (ドラえもんの学習シリーズ)
- 作者: 日能研
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 1998/02/20
- メディア: 単行本
- クリック: 19回
- この商品を含むブログ (6件) を見る
両さんの地図大達人 (満点ゲットシリーズ/こちら葛飾区亀有公園前派出所)
- 作者: 池田俊一,清水靖夫,秋本治
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2000/03/10
- メディア: 単行本
- クリック: 14回
- この商品を含むブログ (2件) を見る
名探偵コナン推理ファイル 地図の謎 (小学館学習まんがシリーズ)
- 作者: 青山剛昌,阿部ゆたか,平良隆久,丸伝次郎,太田弘
- 出版社/メーカー: 小学館
- 発売日: 2013/01/30
- メディア: 単行本
- クリック: 1回
- この商品を含むブログを見る
クレヨンしんちゃんの47都道府県なるほど地図帳 (クレヨンしんちゃんのなんでも百科シリーズ)
- 作者: 有木舎
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2010/12/02
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
- クリック: 16回
- この商品を含むブログ (3件) を見る
ところが、これらの本の中には、本業について教えている本はほとんどない。例えば、江戸川コナンが探偵業について教えたり、ドラえもんがロボットについて教えたり、両さんが警察組織について教えたりする本はほとんどない。だからどうしても漫画に無理が出てしまう。
そういう意味で、今回取り上げる本は、まさに餅は餅屋とばかり、サッカー界のスーパースターがサッカーを教える、非常にレアな本だと言える。
しかし、この本が凄いところは、その部分ではない。
翼君が「教えてくれない」ところが素晴らしい。
漫画部分が、「キャプテン翼そのまま」になっていて、教える意図があまり見えないのだ。
まず、とにかく絵がいい。ドラえもんであれば、岡田康則さん、名探偵コナンであれば、阿部ゆたかさん・丸伝次郎さんなど、ある程度固定した漫画家の方が描いていたとしても、やはり、それぞれ原作との微妙な違いに目が行ってしまったりする。
しかし、このキャプテン翼は、ものすごく上手いかといえばそうではないが、ちょっと下手だったり力が抜けていたりするところも含めて、小学校〜中学校編のキャプテン翼そのものであるように感じる。
それだけでなく、あまり「教える」ことを意識しないため、各キャラクターが自由に個性を発揮する。
例えば、石崎君はやはり顔面ブロックする。(注意:ヘディングの仕方は載っていますが顔面ブロックのやり方は載っていません)
交通事故のリスクなどを考えると、どう考えたって無理筋な、練習の行き帰りも一切手を使わない「ボールは友だち」理論は、21世紀にも健在だ。(注意:当然、この本で特に推奨されているわけではありません)
学習漫画にもかかわらず、ブラジルから来たサントスは、積極的にラフプレーを仕掛ける。(注意:反則にならないチャージの仕方などの実用的な方法は載っていません)
そして、当然のように最後はオーバーヘッドキックで試合が決まる。(注意:オーバーヘッドキックのやり方は載っていません)
全くスポーツに関心がないが、学習漫画は積極的に読むよう太に買い与えたら、繰り返し読んでいるところを見ると、サッカーに関心を持たせるという当初の目的は果たして余りある内容の本だった。
でも自分でボールを動かして上達しようとすれば、漫画部分以外を読まなくちゃいけないので、その部分は減点。
それでもやっぱり、ここには「僕たちの好きなキャプテン翼」があって嬉しくなれる本です。