Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

楽しいイラストで学べるコンパクト図鑑〜『「もしも?」の図鑑 恐竜の飼い方』

「もしも?」の図鑑 恐竜の飼い方

「もしも?」の図鑑 恐竜の飼い方

いつもチェックしているノンフィクション系書評サイト「HONZ」で何かと人気の『鳥類学者 無謀にも恐竜を語る』
それを読むための予習として子ども向けのこの本を買ってみた。タイトルに「図鑑」と入っているがA5版のコンパクトサイズ。


恐竜については、これまでそれほど夢中になった時期はなかったのだが、自分の子どもの頃の常識とは異なる「羽毛の生えた恐竜」については気になっていたので、なるべく新しい本の方で、新しい知識を入れておきたいという気持ちもあった。
実際、この本で初めて知ったこともいくつかある。

  • 恐竜がワニなどの爬虫類と異なる大きな特徴は、足のつき方で、足が腰から横にのびるのではなくまっすぐ下へのびている。したがって、翼竜類やクビナガリュウ竜、魚竜類は、分類学上は恐竜には含まない。(ということは・・・厳密に言えば、フタバスズキリュウのピー助が活躍する『のび太の恐竜』というタイトルは科学的には誤りということになる。)
  • 恐竜が絶滅した原因については、小惑星の衝突ということでほぼ決着がついている。
  • 1990年代から、羽毛をもった恐竜化石が次々と見つかっている。羽毛の役割は、当初「保温のため」と考えられていたが、保温の必要性が小さい大型恐竜のユティランヌス(ティランノサウルスの仲間)が、羽毛を持っていたことが分かり、再度、検討されている。


導入部とラストには「恐竜を飼ってみたい主人公が住む現代日本に、突如、多くの恐竜がやってきて…」という漫画が入っているが、これは子どもには(大人にも)取っ付きやすい良い仕掛けだと思う。その後、トリケラトプスの「ケラト」というキャラクターから恐竜の歴史と分類学上の基礎知識を教えてもらう。
さて、本編の「恐竜の飼い方」について掲載されている恐竜の種類は多く、150種以上(索引で数えると167種類)が、活躍した地質年代別に並べられている。団地の4階からサウロポセイドン(ブラキオサウルスの仲間)に餌をあげる場面や、アンキロサウルスの上で遊ぶ子どもたちが描かれた絵など、イラストは面白い。
ただ、数も多いので、もう少し「飼い方」に特化したコラム的な内容を挟めば飽きずに読めるように思った。例えば、ほぼ同タイトルの『恐竜の飼いかた教えます』では、どのように書かれているのか気になる。
そこが少し残念だが、やはり945円で167種類というのは格安だと思う。表紙に書かれた「子どもから大人まで楽しめる!」という言葉に偽りなしです。

新版 恐竜の飼いかた教えます

新版 恐竜の飼いかた教えます

鳥類学者 無謀にも恐竜を語る (生物ミステリー)

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