Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞6/9(日)

農業を成長産業にするために/コメ偏重再考のとき(3面・けいざい解読)

環太平洋経済連携協定(TPP)への参加が決まり、日本の農業は海外との競争が激しくなる。安倍晋三政権は成長戦略で農業生産の効率を高めるため、農地をまとめる制度改革を目指している。柱は県ごとに設ける「農地中間管理機構」。耕す人のいない土地を借り、担い手に貸し出す役割を担う。この機構を農協や農業委員会が現場で補うことになっている。

安倍政権の成長戦略のひとつである農業。
農地をまとめる制度改革の柱は、農地を集約する役目を担う「農地中間管理機構」だが、この機構を農協や農業委員会が補うことになっている。
記事では、今いる農家の意向ばかり優先する農業委員会に改革の一端を担わせるのは誤りで、市町村長の責任で農地を集約すべきとしている。コメ偏重政策の象徴である農業委員会は、もはや廃止のときとまで言う一つの理由は、「ゆめちから」という2009年に登録された、日本で育てるパン用小麦の品種。
円安の影響で値上げの話ばかり聞くパン。食としてのコメ離れも考えれば、むしろ国としてパン用小麦を後押しするくらいでもいいのでは。
先日の石破さんの本でもあったが、農協も、相当先進的なところもあれば、守旧派なところもあるようで、一緒くたに論じることはできないのだろうと思うが、効率的でない部分があればメスを入れてほしい。

免疫力高める食習慣とは(16面・今どき健康学)

順天堂大学の奥村康特任教授の著書「“健康常識”はウソだらけ」を読み、なるほどと思ったことがある。それは「自分でできる免疫力アップ」についてだ。奥村氏は主に免疫学の立場から、健康について論じている。

免疫力に関する本の紹介をマクラにしているが、記事の内容は「ヨーグルトを食べるとNK細胞を補える=免疫力が上がる」というもの。本の内容なのか、あまりに「ヨーグルト推し」過ぎて気持ちが悪いが、よく聞く内容でもある。紹介されている本をAmazonで見ると、アンチ健康常識過ぎる内容で、これもかなり気になる。

●血圧もコレステロールも高くて大丈夫!
●ダイエットも粗食も体に悪い!
●薬を飲むほど病気が治りにくい!
アンチエイジング治療は危険が大きい!
●ちょい太めの人のほうが長生きする!
●ちょい不真面目な人は病気にならない!

免疫力アップがすべてのポイント!  “健康常識

免疫力アップがすべてのポイント! “健康常識"はウソだらけ (WAC BUNKO)

読書欄

ビッグデータの覇者たち (講談社現代新書)

ビッグデータの覇者たち (講談社現代新書)

ビッグデータ解説本の新書ということで読みやすそう。日本では個人情報保護法などの影響から情報公開が進んでおらず、このままではクラウド時代に世界から遅れを取ると警鐘を鳴らしているというが、個人情報については、他の先進国も慎重に扱っている気がするし、どうなんだろうか。


世界を変えた17の方程式

世界を変えた17の方程式

図書館の数学本の棚で、よく見かけるイアン・スチュアート。タイトル通りの内容で、福島第一原発や、探査機「ひてん」など日本に関する記述も多いとのこと。数学啓蒙書を数多く手がけ、今年68歳になる著者の「円熟の一冊」との推薦の言葉に、まずは、これを読んでみようと思った。


少女と魔法―ガールヒーローはいかに受容されたのか

少女と魔法―ガールヒーローはいかに受容されたのか

これは、以前BookNewsで取り上げられていて、気になった本。オタクたちによる美少女愛玩の文脈のもとでの作品論ではなく、本来的な視聴者である少女たちがいかにそれら魔法少女番組を受容し、体験してきたかというオーディエンス研究本とのこと。目次を見るだけでも面白い。

まえがき

第1章 ガールヒーロとしての「魔法少女」研究
 本書の目的と構成

第2章 「少女」と魔法と〈フェミニズム
 「少女」文化における魔女
  1.日本の「少女」文化  「少女」文化、カワイイ、そしてガール・パワー
  2.「少女」がまとう「カワイイ」の鎧
  3.1960年代から2000年代までの日本の「フェミニズム」の流れ
  4.魔女と魔法 少女の魔力の表象の歴史とポリティクス
  5.日本における西洋の魔女と魔法の表象

第3章 女の子向け「魔法少女」TVアニメの表象分析
 サリーからどれみまで(1966年から2003年まで)
 1.ガールヒーローの不在から誕生まで
 2.黎明期:正統魔女と世俗魔女 サリーとアッコ
 3.「女の時代」期:コケティッシュ魔女とアイドル魔女 メグとマミ
 4.「ポストフェミニズム」期:チームヒロインと母性・ケア セーラームーンとどれみ
 5.おわりに

第4章 女の子向け「魔法少女」テレビにアニメに関する女性オーディエンスの理解
 1.オーディエンス調査方法
 2.1960年代生まれの女性オーディエンス サリー・アッコ世代
 3.1970?1980年代前半生まれの女性オーディエンス メグ・マミ世代 
 4.1997、98年生まれの少女オーディエンス セーラームーン・どれみ世代

第5章 2003年以降の女の子向け「魔法少女」テレビアニメ
 1.多様化する「魔法少女」たち
 2.伝統的ヒーローに近づくガールヒーローたち
 3.『ふたりはプリキュア』 バディなふたり
 4.『フレッシュプリキュア!』 育児の困難と贖罪
 5.『スマイルプリキュア!』 少女の決断、責任、自信

第6章 まとめと展望

あとがき

巻末附録;おもな女の子向け「魔法少女」テレビアニメ