Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞6/30(日)

米国依存のネット社会(12面・中外時評)

米政府が秘密裏に個人情報を集めていたことが世界に衝撃を与えた。「インターネットの自由」を標榜し、米ネット企業の海外展開を後押ししてきた米国が、ネットを諜報(ちょうほう)活動に使っていたからだ。
きっかけは米中央情報局(CIA)元職員による内部告発だ。「PRISM(プリズム)」という情報収集プログラムで、米ネット企業から得た大量の情報を瞬時に振り分けていた。

タイトル通り、世界の情報の8割が米国を経由し、クラウドコンピューティングがさらに米国への情報集中を促すという。
ビッグデータによるサービスを日本で成功させるには、個人情報保護法著作権法の見直しに加え、自前のクラウド基盤整備は避けて通れないとする。勿論、自分で守ることも重要だろう。今回のPRISM騒動をきっかけに、改めてネットサービスの使い方を見直したい。

法科大学院 色あせる理念(34面)

民法上の表見代理とは……」。50人は入れる教室に女性教授の声が響く。たった1人、最前列に座った男子学生が、大型モニターに映った図を熱心に書き取っていた。
愛知学院法科大学院(愛知県日進市)の今年度の入学者は定員25人に対し8人。「マンツーマンの講義も珍しい光景ではない」…

当初の理念とは…

  • 予備校で知識を詰め込まないと受けらない旧制度を改める
  • 実務能力や倫理観を養い、多様な人材を法曹界に送り出す

それが、もはや、複数の学校が司法試験予備校と手を組んでいる状況だという。入試倍率低迷などを理由に13年度から国の補助金がカットされているというのも大変だが、司法試験を目指して頑張る人たちをいたずらに悩ませただけでないかと疑問に思う。記事は「法科大学院の理念は急速に色あせ、関係者たちの間には不協和音が鳴り響いている」という言葉で終わり、明るい方向がまるで見えないようだ…。
制度の構築に携わった人の責任を問いたいくらい。

中国・新疆 最大限の警戒 襲撃相次ぐ

 【北京=阿部哲也】中国の国営中央テレビは29日、共産党習近平総書記(国家主席)が28日夜、党の最高意思決定機関である政治局常務委員会を開き、襲撃・暴力事件が相次ぐ新疆ウイグル自治区の治安維持を徹底するよう指示したと伝えた。政治局常務委で地方の治安維持を協議するのは極めて異例で、最大限の警戒態勢を意味する。

2009年7月5日に合計197人の死者を出す大規模な暴動が発生したため、7/5を控え、緊張が高まっているという。今回は既に35人の死者が出ているということみたい。中国は隣りの大国だから、どういう国なのか、もっと勉強しなくては…。

北極で微生物が大繁殖(17面・サイエンス)

北極の氷や雪の汚れが広がっている。温暖化によって気温が上昇、雨などで表面が溶けて微生物が急激に増えているのが一因だ。雪氷の表面が黒みがかると太陽光を吸収して融解がさらに進み、海面上昇や温暖化の加速につながる懸念がある。気象研究所千葉大学グリーンランドの雪氷調査と気候影響の解明に乗り出した。

タイトルからは、微生物が原因で新たな病気が…とか死滅したと思われていたウイルスが…とか、映画みたいなことを考えていたが、そうではない。上の引用部にもある通り、色が黒くなって光を吸収→さらに氷が解ける→微生物が増える→ という正のフィードバックが働いてしまうとのこと。
先日、日本近海でのサンゴの白化が止まらないというニュースも見たが、徐々に、ではなく、結構数年の間に劇的に変化してしまうもののなのかもしれない。そちらの方が映画みたいで怖いかもしれない。

読書欄

輸血医ドニの人体実験 ---科学革命期の研究競争とある殺人事件の謎

輸血医ドニの人体実験 ---科学革命期の研究競争とある殺人事件の謎

20世紀になり血液型が発見されるまで、輸血はイチかバチかというところがあったようだ。それにもかかわらず、この本の主人公ドニは17世紀の医学者。人間に子牛からの輸血が行われた話など、科学革命時代の生々しい現場がわかる本とのこと。「一気に読めた」というので、読みやすい本なのかも。2800円というと、すぐにぽちっとは買えないが。


聖なる怠け者の冒険

聖なる怠け者の冒険

モリミーの本は最近読んでいないが、いつの間にかアニメやら何やらで騒がしい。本書は、新聞連載小説を全面改稿したものだということで、そういう意味ではかなり力をかけた本なのかもしれない。長編小説は3年ぶりということで、また、あの独特の世界に浸りたい。こんな本も↓
聖なる怠け者の冒険 挿絵集

聖なる怠け者の冒険 挿絵集