Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞9/8(日)

2020年の五輪開催地が東京に決定!

再生エネ普及の条件は(9面・日曜に考える)

買い取り制度の調達価格等算定委員長を務める植田和弘京大教授とソフトバンクの事業会社SBエナジー副社長の藤井宏明氏へのインタビュー記事。どちらも太陽光に集中した買い取り制度には肯定的に捉えつつも、再生エネ普及全体について、課題を挙げている。北海道電力太陽光発電の受け入れ上限を決めた事例については、二人とも送電網の整備を課題に挙げているが、この辺りはすぐに取り組む必要があるようだ。

  • 買い取り制度については、権利転売を目的にしたブローカーに対して一定の措置が必要(植田)
  • 転売自体は問題ではなく、着工せずに送電線だけを押さえるような事業者がいれば、普及の妨げになるので問題(藤井)
  • SBエナジーは国産を使うが)ドイツのように、安価な中国製パネルの流入に偏ってしまう可能性はある。(藤井)
  • 買い取り制度だけでなく、送電線の強化などのインフラ整備、電力システム改革の連動が必要。(植田)
  • 市場の自由化が進めば需要側が電源を選ぶことになるため、エネルギー基本計画の中では、供給力だけで電源比率を決めるべきではない。(植田)
  • 集中発電から分散発電への移行には送電網の整備が必要。(藤井)
  • 農地法が妨げとなり、塩漬けとなっているような耕作放棄地を使う事業が進まないのが問題。(藤井)

熱風の日本史 第2回「欧化という熱病」

明治時代の日本人の偏った情熱?を取り上げる連載記事の第2回で取り上げるのは「欧化熱」。
まず、英語ブームについて。庶民も巻き込んだ英語ブームは激しく、森有礼などは、英語を国語にしようという論を展開していたという。この辺は、以前も漢字やひらがなの廃止について聞いたことがあり、そのくらいはあるのかもしれないと思っていた。
しかし、人種改良の話には驚いた。
「優等民族」である西洋人と「劣等民族」である日本人との差は一朝一夕では縮まらないため、日本人は西洋人と「雑婚」して、心身強壮で知力も優れた子孫を残し、民族として改良すればいい、というのが「人種改良論」の主張。『日本人改良論』を著した高橋義雄がその代表で、この思想の源流に福沢諭吉がいたというのだから驚きだ。
欧化熱は、反動として国粋主義を生み、また、他のアジア諸国や非西洋への蔑視感情につながっていったという。トリビア的に語られるのではなく、中高の歴史教育でももっと勉強したかった部分かもしれない。

読書

奈良時代以降の日本で、気候変動に伴って降りかかる干ばつや飢饉、疫病といった災難に、国や人々がどう立ち向かってきたか…という日本人と気候に着目した本。気候というより個々の天気に着目した松嶋憲昭、『桶狭間は晴れ、のち豪雨でしょう』も気になっていた本で、併せて読んでみたい。


福音館書店の月刊絵本『こどものとも』を生みだした名物編集者本人が、1956年の創刊号から1968年の149号までの、全絵本の創作過程や制作秘話を、作家とのエピソードとともに語る…とある。1968年までとはいえ「全絵本」というのは凄い。『ぐりとぐら』や『おおきなかぶ』以外に、石井桃子長新太安野光雅らの名前も挙がっており、絵本の歴史を概観するのには良さそう。


ラテン語図解辞典 ??古代ローマの文化と風俗

ラテン語図解辞典 ??古代ローマの文化と風俗

「活字の海で」欄で「イラストで親しむ古代ローマ」と大きく取り扱われている本。いわく、『テルマエ・ロマエ』など、画像や映像を通じて新たにローマに関心を持った人々を、活字の世界に誘う効果を狙う・・・とあるが、『テルマエ・ロマエ』を読んだ後に『辞典』に手を取ったりすることがありえるんだろうか。「読み物としても十分楽しめる」という書き方もされているが、700のイラストがあるとはいえ、500の見出し語が紹介された内容で、しかも、このタイトル、この表紙で、軽い気持ちで手に取るということがあり得るんだろうか?と考えてしまう謎本。せめて帯だけでもヤマザキマリに頼んでおくべきだったのでは…と思ってしまうが…。