Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

日経新聞11/3(日)

中国・ウイグル自治区 漢民族と格差、対立招く/高層マンションに富裕層「農地奪われる」

中国・北京の天安門前で自爆テロを実行した容疑者らの出身地、新疆ウイグル自治区カシュガル市内や郊外では経済開発が急ピッチで進む。そのために次々取り壊されているのは、古くからウイグル族が住むイスラム式住居や農地だ。従来の宗教上の摩擦に加え、こうした経済問題が地元政府を仕切る漢民族への反発に拍車をかけている。

ウイグル族の土地を強制収容して高層マンションを建て、漢民族の富裕層が入るという構図。
今回の事件も、中国政府の正当性をアピールするため「テロ」扱いでの報道がされているが、実行犯が家族3人というところからしても、やはり生活苦が政府への抗議として行ったという方が納得が行く。
ラジオ番組(荻上チキ・Session-22)で聞いた話だと、ウイグル族への差別は激しく、国内での就職はまず無理で、何かあれば逮捕されたりするような状況らしい。日本では、なかなかあり得ないこういった状況を理解するためには、テレビで報道されるニュースだけでなく、プラスアルファの勉強をしていかなくちゃと思っている。

熱風の日本史第10回 中流の夢 郊外ユートピア(大正)(13面)

大都市への人口集中が進んだ大正期。阪急グループの創業者・小林一三は、人が住むところに鉄道を走らせるのでなく、沿線の住宅地を販売する逆転の発想で新中間層を拡大させたという。また、それまで駅から離れた繁華街にあったデパートを駅前に作ったのも小林一三だという。
さらに宝塚歌劇団を生んだのもこの人で、そのエピソードが面白かった。当時は珍しかった室内プールを開業したが、これが失敗し、これを劇場に改造して、三越百貨店の「少年」音楽隊に対抗して「少女」歌劇団としたという。
当時作られた生活文化は今も変わらぬまま、ということは、やや時代に合わなくなってきているのも確かだが、調べると、いろいろなものが見えてくるようで興味深い。

読書欄

数字を追うな 統計を読め

数字を追うな 統計を読め

総務省統計局の現役官僚が書いた本で、「家計調査」「労働力調査」「国勢調査」などをもとに、統計で何が読めるようになるのか、さまざまなエピソードが紹介されているとのこと。政府統計については、実務の中でも使用することがあるので、これまで流行り過ぎて何となく敬遠していた統計本だが、これをはじめの一冊にしようか。


<脳と文明>の暗号 言語・音楽・サルからヒトへ (KS一般書)

<脳と文明>の暗号 言語・音楽・サルからヒトへ (KS一般書)

なぜ私たちは言語を操るか。なぜ私たちのあいだに音楽が生まれたか。
これらの疑問に対して、この本で書かれる仮説は、言語も音楽も自然界をお手本として生まれたというもの。たとえば、音楽のもとになったのは人間の足音を中心とした「動作音」だという仮説をクラシック音楽の旋律と足音の拍子や音の間隔と照合して検証していくという。かなり力技な感じも受けるが、内田麻理香さんオススメの一冊ということで期待大。文字が物体を模倣しているという内容の前著も合わせて読んでみたい。
ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い視覚能力があるわけ

ひとの目、驚異の進化: 4つの凄い視覚能力があるわけ


物理を専門とする研究者が、日本で好まれる「美しさ」の基準を黄金比(1:1.62)や白銀比(1:1.41)などの数学的な比率で読み解く内容とのこと。ポップカルチャーと科学の融合というキーワードで研究をされている方とのことで、ちょっと面白そうだ。