Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

森と湖の美しい国〜松岡一哲『フィンランド(世界のともだち)』

フィンランド (世界のともだち)

フィンランド (世界のともだち)

先日読んだ『モンゴル』に引き続き、「世界のともだち」シリーズの『フィンランド』を。


主人公は表紙に出ているカオリという女の子。弟2人の名前はタロとジロ。
実は、カオリのおじいちゃんは日本人で、彼女たちを名付けたのもおじいちゃんだったのだ。
本の中で紹介される、首都ヘルシンキ郊外のラスティラでの暮らしは、以下のように、そこかしこにフィンランドらしさが出ている。なお、フィンランドと言えばムーミンだが、カオリとの直接の絡みはないものの、新聞に連載中のムーミン漫画についても説明があった。

  • 長い冬は気温の低下(マイナス20度)だけでなく、太陽の出ている時間が短い。
  • 夏の本当に暑いのは3週間くらい。白夜もある。
  • 夏の写真を見ると、トトロの世界に入り込んだよう。(森と湖の国と呼ばれるのも分かる)
  • 小学生はみんな防犯のために携帯電話を持っている。(NOKIAのお膝元だからか)
  • フィンランド人にとって一番の楽しみはクリスマス。(サンタクロースの住所はフィンランドとなっている)
  • 教育についても個性が大事にされ、授業中に集中して勉強したい場合、音の聞こえなくなるヘッドホンをつけることも許されている。(OECDの学習到達度調査で常に上位)

あと、偕成社のHPで補足情報を覗くと、「エアギター世界選手権」発祥の国で、へヴィメタルが盛んな国、そして日本語と語感が似ている国(たとえば、「カニ」はウサギで「シカ」はブタ、「スシ」はオオカミ…)などのトリビア情報が出てきてこれも面白い。


ただ、モンゴルのときと比べると、「ヨーロッパの先進国の子どもって多分こんな感じなんだろうな」の枠の中に収まっている気がして、その点は刺激が少なかった。
そこで、折角興味を持ったので、関連しそうなpodcastの番組をみつけて聴いてみた。

聞いてみると、いろいろな国の歴史を、素人の方々が勉強して来て、持ち回りで説明する番組でとても分かりやすい。(表現がわかりにくいところや間違っているところには少し知識のある人からツッコミが入るので、スルーされずに繰り返されるのも良い。)
2013年11月28日の「フィンランドの歴史」を聴くと、フィンランドスウェーデンとロシアに挟まれた場所に位置していたが故に、両国の支配を受けた時代が長かったのだという。
現在のフィンランドは、1919年にロシアから独立し、内戦を経て現在のかたちになったとのこと。
ロシアによる支配は、ある時期までは非常に緩やかで、むしろフィンランド文化の発達を促し、ロシア皇帝アレクサンドル2世は、今でもフィンランド人の間で非常に人気があるらしい。
…等々


何だか、遠く離れた国のことも少しずつ興味を持てるようになってきた気がする。
今後も「世界のともだち」と「世界一周!チラ見の世界史」のセットで、今まであまり考えたことのなかったような国について勉強したい…と思って双方のホームページを見ると、重なっている国は少なく、必然的に次の候補国はカンボジアになりそうだ。

カンボジア (世界のともだち)

カンボジア (世界のともだち)