Yondaful Days!

好きな本や映画・音楽についての感想を綴ったブログです。

まさかまさかの衝撃の展開〜田中芳樹『汗血公路―アルスラーン戦記〈4〉』

アルスラーン戦記〈4〉汗血公路 (角川文庫)
角川文庫バージョンの表紙(ナルサス)こそは天野喜孝イラストの真骨頂という感じで震えます。
今回、荒川弘verでのアニメ化が決定しましたが、やはり自分の心に強く焼き付いているのは天野喜孝ナルサスであり、アニメーションとしてどう動かすかは別として、これを超えるものはありません。勿論、以前アニメ化された際のナルサスのデザインもそれほど自分のイメージとズレていないとはいえ、天野喜孝デザインの「5億点」ぶりと比べてしまうと、どうしても評価は低くなってしまいます。
とはいえ、カッパ・ノベルス版の丹野忍光文社文庫版の山田章博と、どのシリーズも表紙イラストは非常に充実しており、読み始めた時期それぞれで、読者が異なるイメージで作品世界を頭に描いているのかもしれません。


さて、この巻のストーリー。

ヒルメスギスカールに素性を暴露。その後、エクバターナの地下に棲む魔同士に助言を受け、聖剣ルクナバードを求めてカイ・ホスローの墓に向かう。(五章)


ここまで順風満帆で来た物語ですが、ここに来て、アンドラゴラスの復活というまさかの展開。
数ページ前まではギスカールアンドラゴラスをどう利用しようかと目論見をめぐらせる中での大逆転ぶりには本当に驚きました。ルシタニアの脅威を追い払うという当初のゴールが突如として無くなったに等しく、しかもアルスラーンがここまで築いてきたものが一気に無駄になってしまう展開で驚きです。